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小学生に自学自習は無理?

金曜日, 1月 23rd, 2009

 大学受験について書かれた新書を読んでいたら、自学自習に関するおもしろい調査結果が載っていました。「あなたが自学自習を身につけた場所はどこですか」という質問に対する、東京大学の学生の回答結果(2003年)を紹介したものでした。興味をもったので、東京大学のホームページで確かめてみました。この質問に対する選択肢は、以下の通りです(少し簡略にしています)。

 1.小学校 2.中学校 3.高校 4.大学 5.家庭 6.予備校・学習塾 7.その他

 さて、多かった回答はどれだったでしょうか。多い順にご紹介すると、家庭→大学→高校→学習塾・予備校→中学校→小学校→その他 でした。

 学習の場としての基本は何と言っても家庭です。一番多い答えが家庭だったのは頷けます。しかし、あとの「大学」「高校」という順番はやや意外でした。東大に進学するような特別優秀な生徒さんは、「小学校」「中学校」の時点で自学自習を身につけるだろうと思っていたからです。質問は「身につけた場所」でしたが、結果としてその回答は「身につけた時期」の遅さをも示しており、そのことに驚いた次第です。

 家庭学習研究社は、小学生の自学自習による学力形成を支援しています。しかし、このアンケート結果は「小学生には自学自習は無理だ」と言っていることになります。私たちは、無理なことを子どもたちに要求しているのでしょうか。いいえ、決してそうは思いません。

 自学自習は、大人が子どもの年齢や発達度を配慮すれば可能になるのです。どういうことかというと、「いつ、何を、どこまで、どのようにやればよいのか」を小学生にもわかるように工夫してやればよいのです。先ほどの新書の著者は、東京大学の理Ⅲ(医学部)に現役合格した女子学生ですが、彼女は「与えられたものを、やり遂げる勉強を習慣づけることからやればよい」といった趣旨のことを言っています。これが、まさに初歩の自学自習と言えるでしょう。家庭学習研究社がめざしているのも、こうした初歩の自学自習なのです。

 このような考えを反映させ、私たちは学習指導で使用するテキストはすべて自社制作しています。オリジナルのテキストがあれば、子どもが一人で勉強できるようにするための配慮や工夫を盛り込むことができます。また、無用と言えるほどの難問が無配慮にちりばめられているようなテキストでは、一人勉強は不可能になります。その点、オリジナルなら難易度にも十分な対応が可能です。家庭学習研究社は、教材をつくろうとして発足した会社ですから、オリジナルテキストは必然と言えるかもしれませんが、なぜオリジナルにこだわるのかについては、以上のような理由があるのです。

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