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子どもの学習意欲は何によって高まるの? ~その1~

月曜日, 9月 6th, 2010

 子どもの学習意欲は、何によって高まるのでしょうか。どんな要素によって支えられているのでしょうか。また、年齢とともにその学習意欲を支える要素は変わっていくのでしょうか。

 もしそのことがわかれば、子どものやる気を高めるために、親はどのような配慮や働きかけをすればよいのかがある程度わかってくるでしょう。

 実は、そんな研究をしている大学の先生がおられます。今回は、その先生の著作から関連する部分を取り上げ、ご紹介してみたいと思います。

 まずは、学習意欲を支える主要な要素ですが、これに関しては諸説があるようですが、その大学の先生は次のつぎの4つをあげておられました。

  1. A.目標達成への意欲・・・
          目標を実現しようという欲求に基づく学習意欲
  2. B.興味的理由・・・
          知りたいという欲求に基づく学習意欲(内発的動機)
  3. C.賞罰による意欲・・・
          親や先生にほめられたい、叱られたくないという気持ちに
         基づく意欲
  4. D.規範意識・・・
          親や先生の期待に応えたいという気持ちに基づく意欲

 上記A~Dの4つの要素がどの程度よく働くかは、年齢によって異なります。では、小学校1年生、小学校5年生、中学校3年生において、働きの強い順位に並べてみてください(下表の、該当すると思われる部分にA~Dの記号を書き入れてください)。

学年 学習意欲を支える要素の順位
(A~Dの記号を入れてください)
小学1年生 1位/ 2位/ 3位/ 4位/
小学5年生 1位/ 2位/ 3位/ 4位/
中学3年生 1位/ 2位/ 3位/ 4位/

<ヒント>

 小学校1年生といえば、まだ幼児的な特徴の残る年齢にあります。親に絶対依存の状況にありますから、親(大人)の影響力が非常に強いのが特徴です。親から褒美をもらったり、ほめられたりすることは、他のどんなことよりもがんばりの動機となります。また、自分の知らないものごとへの関心が強く、興味を引くものに出会うと、ほかのことを忘れて夢中で関心を示したりします。人生経験はごく僅かですから、社会的知識は乏しく、まだ将来の進路を展望するような思考は発達していません。

 小学校5年生は、自我が芽生える時期にあたります。親への絶対依存の状況は低学年時とあまり変わりませんが、それでいて自分なりの考えをもつようになり、親への批判の目も少しずつ育ってくる年齢です。親の示す期待が納得できるものであれば、それに応えようと一生懸命に頑張りますが、単純に褒美につられたりすることはなくなってきます。社会への興味・関心は低学年時よりは随分強まりますが、まだ将来に夢を馳せるなど、時空を超えた思考ができるまでには至っていません。また、興味的理由によって学習意欲を高める傾向は、低学年に引き続き相変わらず高い水準を保っています。

 中学3年生は思春期の真っ只中。親を否定し、親を乗り越えようとする年齢です。親が賞罰によって頑張らせようとしても、もはや効き目はありません。また、親の期待に応えようとする気持ちよりも、自分の考えを大切にし、自分が設定した目標の実現をめざして頑張ろうとするようになります。また、興味的理由による学習意欲は、幼児期から小学校いっぱいまで高い水準を保ってきましたが、打算や功利的な考えが身についてきたこの年齢になるとやや勢いを失ってきます。

 さて、あなたの答えはどのようになったでしょうか。以下の正解を示しますので、ご自身の答えと照合してみてください。なお、正解は、たくさんの子どもの調査から得た統計的傾向であり、個々の子どもの全てに当てはまるものではありませんので、ご了承ください。

 次回は、この調査結果をもとに、中学受験準備期における子どもの励まし方、頑張らせかたについてともに考えてみたいと思います。

<正解>

学年 学習意欲を支える要素の順位
(A~Dの記号を入れてください)
小学1年生 1位/ C 2位/ B 3位/ D 4位/ A
小学5年生 1位/ D 2位/ B 3位/ C 4位/ A
中学3年生 1位/ A 2位/ D 3位/ B 4位/ C

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