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2017年度の作品

No.6 『 娘の中学受験見守り日記 』 清心中・女学院中/Tさん

 1月21日(土)5時、積雪が気になり飛び起きた。ここ数日間、ずっと天気を気にしながら過ごしていたので、車で駅に向かえそうな状況に思わず安堵した。まだ熟睡している娘を見る。親の方が『大丈夫?』と思う程緊張感のなかった娘だが、昨夜は寝付くのに随分時間がかかっていた。6時前、起きてきた娘は眠そうだ。何とか支度を終え、いざ家を出ると、想定外の好天に嬉しくなる。晴れ女の娘に感謝! いや、今年の受験生全員に感謝するべきかな?
「電車で見直しする!」と話していた娘は、見事なまでに熟睡している。親としては起こすべきか、寝かしてやるべきか、悶々と葛藤している間に目的駅は迫り、結局ずっと眠らせてしまった……。まあ、無事に来れたのだから、よしとしよう。
 試験会場の女学院へ到着すると、合戦よろしく鉢巻きに旗を持ち激励を飛ばす様々な塾の先生方の熱量や、人の多さに圧倒された。娘は、蠣崎先生や塾の友人達に出会い言葉を交わし、友人達とは塾の卒業会前に買い出しの約束をしたみたい。「行ってくるね。」と足早に試験会場へ向かう娘の後ろ姿を見送った。
 面接が最終組だった娘は、文字通り待ちくたびれた面持ちで試験会場から出てきた。長い長い一日、お疲れ様!!
 就寝前にリラックス効果も兼ねて、娘とマスクのデコレーションをし始めると、つい夢中に……。早く寝かせるはずが逆効果だったと、完成してから時計を見て大反省。
 1月22日(日)6時、今朝はすっきりした表情で起きて来た姿を見て一安心。駅のホームで何気なく持ち物の確認をする。「受験票持った? 本は? お弁当は?」「……お弁当がない。」「えぇ~!?」幸い事なきを得たのだが、「試験でも、最後の見直しはちゃんとしないとね!」と笑い話に。
 西広島駅では、偶然にも同級生の男の子と保護者の方に出会い、お互いの健闘を祈りながら心強くそれぞれの試験会場へ向かった。
 学校へ着いて、K先生とU先生よりお菓子を頂き「普段通りに頑張ってね。」とのエールを胸に試験会場へ向かう娘。その後、夫と共にご挨拶をさせて頂いたのだが、名探偵K先生より「今だから言いますが、11月23日、ファン感謝デーに行かれましたよね? 受話器越しに歓声が聞こえていましたよ!」ぎくり!!「行きました……。授業をお休みしてすみません……!!」昨年は全試合を視聴した程カープ一色の我が家だった。
 娘の出迎え迄まだまだ時間があったため、歩いて平和公園まで行ってみた。偶然にも同日、天皇杯全国男子駅伝が開催される平和大通りは、各都道府県の出店で賑わいお祭りムードさながらだ。娘が今日という日を元気に迎えられたことに心から感謝しつつ、時間を忘れて特産品に舌鼓を打ちながら駅伝で頑張る選手達を応援した。
 面接終了時刻となり、やりきった面持ちで出てきた娘に「お疲れ様。良く頑張った!」と肩を叩きながら夫が発した第一声は、シンプルながら私の気持ちそのものだった。
 帰宅途中、女学院の合格を確認出来た娘は安堵の笑顔を見せ、早速、祖父母にも報告し共に喜びを分かち合っていた。
 1月23日(月)16時、清心の入試結果発表を見るべく、そそくさと帰宅した娘だったが、合格の二文字を目に出来たのは、20時を回ってからだった。「やった~!」という娘の満面の笑みが、中学受験の終わりを告げた。
 22日の入試終了後に見せてくれた充実感と達成感に満ちた娘の表情を、忘れることはないだろう。貴重な体験を経て日々成長していく娘を、これからもワクワクしながら見守り続けたい。

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