トップ >  保護者の部 > 2017年度作品(8)

2017年度の作品

No.8 『 信じた先に見えたもの 』 清心中・女学院中/Hさん

「行ってきます!」
力強い口調で清心の入試会場へ入って行った娘。華奢な後ろ姿が、いつもよりたくましく見え、私は涙が込み上げてきました。『私は絶対に清心に行く。』と強い想いを持ち続けていた彼女の背中に、声にならないエールを送り続けました。
 娘は、家庭学習研究社で大きな出あいがありました。それは、授業で初めて触れた「歴史」です。先生の授業の面白さで興味を持ち、歴史に魅せられたのです。家では時間の許す限り、歴史に関する本を読んでいたほどです。言うまでもなく、社会は得意科目になりましたが、一方で、算数の点数は伸び悩み、マナビーテストや模試では、算数以外の三科目でカバーしている状態でした。算数の点数を上げたいのにうっかりミスを繰り返していると、強い口調で怒ってしまうことも度々・・・・・・出来ていることより出来ていない事に私の目は向いていたと思います。『感情に任せて怒らない! 我慢! 我慢!』これは修行なんだと何度、言い聞かせたことでしょう。
 そんな状態をM先生に相談すると、娘に合った勉強方法をアドバイスして下さる中、
「お子さんの力を信じてあげて下さい。」
とおっしゃいました。『信じる!?そうだ、私は不安に思うばかりで彼女の頑張りを信じ切れていなかった。』とハッと我に返りました。模試やマナビーテストの前に、私がよく口にしていた「大丈夫よ。」というフレーズも子どもを信じていない親からの言葉には、きっと説得力もなかったに違いありません。これを機に、諦めずコツコツとやってきた娘の努力を信じようと思えるようになりました。
 清心の合格発表は、家族で学校まで見に行くことにしました。入試では緊張していなかった娘ですが、口数少なめに清心の坂を上っていく表情は固くなっていたと思います。そして、意を決して見た掲示板には自分の番号が! 飛び上がって大喜びするその顔は、達成感に満ち溢れていました。彼女の笑顔もこの日のことも私達は一生忘れないでしょう。その帰り道、娘はM先生に合格を伝えたいと広島校にも寄りました。
中学校受験を経験したことで、親子ともに成長させて頂きました。私は『子どもを見守るというのは信じること』を。娘は『自分の夢を実現させた充実感』を得ることができました。家族で時事問題を話し合ったり、息抜きする時は存分に楽しんだり、涙する時もあれば大喜びしたりと、とても有意義な時間を娘と過ごすことができました。やっとスタート地点に立った娘をこれからは、程よい距離で見守りたいと思います。
 最後になりましたが、大好きだと言える「歴史」に巡りあうことのできた広島校の先生方、お世話になったM先生、H先生に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

2017年度の作品一覧へバックナンバーデジタルゲットTOPへ
  • ブログのページへ
  • 音読教室のページへ
  • デジタルGETのページへ
Page Top