僕の中学受験三日前のお話。
登校中にスベった。その日は、雪がたくさん積もっていた。家を出る前、
「受験前に雪でスベったら縁起悪いよね。」
などと、家族と話したばかりだった。ツルっといって、地面についた左手が痛む。スベった絶望感からか、はき気がした。その日は学校の保健室で手当てをしてもらい下校した。
ただのねんざだと思っていたが、痛みが取れないので二日後(附属中受験前日)に病院でレントゲンを撮ると、
「骨折ですね。」
とあっさり言われた。母と一緒にぼうぜんとした。
でも、何となく自分は大丈夫という自信があった。実際入試の時には、左手が使えなくて不便だったこともあったけれど、第一志望校に合格することができた。僕は気づいた。大事なのは、何が起きても自分を信じて、前向きでいること。もちろん、そうやっていられるのは、周りで応援してくれる人たちの支えや自分の努力があってこそだと思う。
そして、何よりもどんなことよりも大切なのは、けがをしないことだ。