トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > 目の見えない子ねこ、どろっぷ

3年生の今月の本


目の見えない子ねこ、どろっぷ タイトル 目の見えない子ねこ、どろっぷ
著者 沢田 俊子(作)田中 六大(絵)
出版社 講談社
 

 あしたから春休みの日、つぐみが学校から帰ってくると、家のガレージに茶トラの子ねこがいました。だきあげて見てみると、子ねこは顔じゅうが目やにだらけで、とてもほうっておけないじょうたいでした。つぐみの家には、すでに三びきのねこがいます。だから、これ以上ねこはかえないことはわかっていましたが、それでもつぐみはお母さんに子ねこを見せました。お母さんはおどろきましたが、すぐにお湯でぬらしたティッシュで子ねこの顔をふいてくれました。
 次の朝、子ねこの目やにはまたひどくなっていました。まぶたもうんとはれあがっています。「もしかしたら、この子、目が見えないのかも」お母さんは子ねこをゆうなぎ先生にみてもらうことにしました。目がなおれば、子ねこも母さんねこについて行けると思ったからです。しかし、診察が終わって、ゆうなぎ先生はむずかしそうな顔をしてこう言いました。「目はつぶれていて、もう見えていません。うみがどんどん出ているのは、目玉がバイキンの巣になっているからです。とても危険な状態です。ただ、両方の目玉をとりだせば、命は助かるかもしれません。」つぐみは子ねこがかわいそうでなりませんでした。子ねこはまるで、(つーちゃん、助けて)とでも言っているように細いつめでつぐみの胸にしがみついています。目玉をとれば、命はたすかるかもしれない。でも目が見えるようにはならない。両目を失った子ねこがぶじに生きていけるだろうか。お母さんも迷っているのがよくわかりましたが、つぐみはしばらく考えてから、決心したようにこう言いました。「もし、あたしだったら? おねがい。あたしとおんなじにしてやって」

●子ねこの命を助けるためには、目玉をとる大手術をしなければなりませんでした。どろっぷと名付けられた子ねこは、手術を乗り越えミルクやキャットフードもしっかり食べて飲んで必死で生きようとしました。そんなどろっぷに勇気づけられ、つぐみもある決意をもって4年生の新学期を迎えるのでした。実話をもとにした物語です。

Page Top