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3年生の今月の本


星新一 すこしふしぎ傑作選 タイトル 星新一 すこしふしぎ傑作選
著者 星 新一(作) yum(絵) 
出版社 集英社
 

 ある朝のこと。林の中の小道を、エヌ氏はひとりでさん歩していた。彼は大きな会社の社長だが、週末はいつもこの場所に来てくつろぐことにしている。ここでなら、ふだんのいそがしい日々をわすれて安らぐことができる。すがすがしい空気、しずかな中での小鳥たちの声・・・。
 その時、とつぜん木かげから、明るいふくそうに明るいけしょうをした、わかい女があらわれた。そして、エヌ氏を見つけると、にこやかに「こんにちは」と声をかけてきたのだ。エヌ氏はとまどい、「どなたでしたかな。しつれいですが、思い出せません」と聞いた。「むりもありませんわ。はじめてお会いするのですから。じつは、あなたにちょっとおねがいが・・・」と女は言う。エヌ氏は、ますますふしんに思い、「一体、あなたはだれなのですか」と聞いた。
 すると、そのわかい女は、急にまじめな表じょうになって言った。「殺(ころ)し屋(や)ですのよ」

●星新一さんが書かれた数多くのショートショート小説の中から、入門編として選定された13のお話と4つのエッセイが入っています。小学生にも読みやすいよう、全ての漢字に振り仮名がふってあります。奥深い「ショートショート」の世界への入口としてぜひどうぞ。

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