トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > より道はふしぎのはじまり

3年生の今月の本


より道はふしぎのはじまり タイトル より道はふしぎのはじまり
著者 赤羽 じゅんこ(作) 夏目 尚吾(絵) 
出版社 文研出版
 

「どこ行くの?風(ふう)太(た)の家、そっちじゃないでしょう!」
亜子(あこ)は、走っていく風太のせなかにさけんだ。5時間目にとつぜんおなかがいたくなったという風太を、先生にたのまれて家まで送っていくとちゅうなのだ。だけど、風太はびょう人とは思えないほど元気で、ぜんぜんまっすぐ帰ろうとしない。それどころか、「どこ行こうと、おれのかってだろ」なんて、えらそうに言う。
「先生にたのまれてるんだからね。ちゃんと帰ってくれないとこまるわよ」と亜子が言うと、「つかまえられるもんなら、つかまえてみな。ここからが、おれのスペシャルコースだからな」そう言うと、風太はぜん力で走りはじめた。亜子はあわてて追いかけたが、だんだん差はひらいていき、角をまがったところで、とうとう見うしなってしまった。こまってあたりを見まわすと、なんとよその家のいけがきのすきまから、手のひらが「おいでおいで」している。亜子が近づくと、「早く来ないと、おいてくぞ」と言いながら、風太は知らない人の家のにわに入っていってしまった。そして、にわを横切ってブロックべいをよじのぼり、さらにとなりの家へと消えていった。
 亜子はためらったが、このまま風太をほうって一人で帰るわけにもいかない。思いきって風太のあとを追いかけることにした。「なんでわたしが・・・」そう思いながらへいをよじのぼると、今度は亜子の苦手な大きな犬が待ちかまえていた。・・・でも、今さらもどれない。このまま進むしかないんだ。

●多くの男の子は「寄り道してはいけません」と叱られた経験があるのではないでしょうか。大人にとっては心配の種である子どもの寄り道ですが、子どもにとってはドキドキワクワクの小さな冒険です。でも、普段寄り道なんてしない真面目な女の子が、やんちゃな男の子と共に寄り道をすると、一体どんなことが起こるのでしょうね。

Page Top