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3年生の今月の本


みさき食堂へようこそ タイトル みさき食堂へようこそ
著者 香坂 直(作) 北沢 平祐(絵)
出版社 講談社
 

 海につき出した、ぞうのはなのような細長い岬(みさき)。「さきっぽ岬」とよばれるその岬のさきっちょに、一けんの食堂(しょくどう)がありました。それが「みさき食堂」です。
 午後の3時半。お昼どきのいそがしい時間たいを終えたみさき食堂から、まんまる顔のおばあさんとおかっぱ頭の女の子が出てきました。みさき食堂の主人のハルさんと、5さいのたまみちゃんです。ハルさんとまごのたまみちゃんは、みさき食堂で、ふたりでくらしています。
 さきっぽ岬のさきっちょには、いつもやわらかな風がふいています。でも、さきっぽ岬にふくのは、やさしい風ばかりではありません。今日も、店の外に立っていたたまみちゃんに向かって、とつぜんぶわりと大きな風のかたまりがぶつかってきました。それでも、たまみちゃんは全くあわてません。りょう足でグッとふんばって、風の音に耳をすましています。まるで何かの声を聞きとっているかのように。
 少しすると、たまみちゃんが「おばあちゃん、お客さんがくるよ」と言いました。でも、まわりにはだれも来ていないようです。じつは、時々みさき食堂にはふしぎなお客さんがやってきます。それは、バスにのってくるのでも車をうんてんしてくるのでもなく、とつぜんあらわれて、気がついた時にはもう食堂のイスにすわっている、ふしぎなお客さん達なのです。

●まるで風で運ばれてくるように、さまざまな「ふしぎなお客さん」がやってくる「みさき食堂」。みさき食堂では、悩みや葛藤を抱えた人達をやさしく迎え、思い出深い食べものを準備して、傷つき疲れた心を癒してくれるのです。読み終わった後には、ふんわりやわらかい気もちになれる、とってもあたたかいお話です。

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