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3年生の今月の本


はじめましてのダンネバード タイトル はじめましてのダンネバード
著者 工藤 純子(作) マコ カワイ(絵)
出版社 くもん出版
 

 ゆるんだ雰囲気だった朝の教室に、先生が入ってくると、みんなの動きがぴたりと止まった。とつぜんみんなが動かなくなったのは、先生の後に、初めて見る女の子がついてきたからだ。
「今日から、このクラスの仲間になる、エリサ・ビソカルマさんだ。ネパールという国から来て、日本語があまりわからないから、みんないろいろ教えてあげてほしい。じゃあ、エリサさんに、何か言ってもらおうかな」
 先生がそう言うと、転校生は、くいっと顔を上げた。わっ、きれいな目。黒目がきらきらかがやいている。“目力がある”って、きっとこういうことをいうんだな。そう思っていると、高くて、すきとおるような声が教室にひびいた。
「ワ、タシの、名前が、エリサ・ビソカルマ、です」
 発音がびみょうにおかしい。小さい子が、いっしょうけんめいしゃべっているみたいな話し方だった。少しの間があった後、みんないっせいに笑いだした。ぼくもいっしょになって笑ってたけど、ハッと息をのんだ。いっしゅん、転校生の顔がゆがんだような気がしたからだ。

●蒼太のクラスに、海外からの転校生がやってきました。最初は興味津々のクラスメイト達でしたが、いつも俯いて何も話そうとしないエリサの態度に、次第に苛立ちや不満を募らせていきます。クラスに馴染めないまま日々が過ぎ、とうとうエリサは学校に来なくなってしまいました。
 心配してエリサの家を訪ねた蒼太と幼なじみのゆうりは、これまで考えたこともなかった、日本で暮らす外国籍の人達の悩みや生活様式の違いなどを知ることになります。

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