あるとき、これまでとは少し様子のちがう寒い季節がおとずれた。
　冬が春を過ぎても、夏になっても、ずっといすわっていたのだ。
　朝から晩まで雪が降り、なにもかも凍りつき、温度計はあきることなくずっと零下（れいか）をさしたままだった。
　そうして、まる一年がたった。

　ある朝はやく、リッキーは目を覚まし、うんざりした。
　もう、雪はたくさんだ。
　氷もたくさん。

　リッキーは冬を探しだして、冬を終わらせてくれるよう、直接話をすることにした。

　冬を探す旅にでたリッキーは、トリ・サムサ・ヘッチャラと名乗る、ペンギンのような鳥に出会った。彼は冬のところにリッキーを案内するというのだが……。