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4年生の今月の本


見習い職人フラピッチの旅 タイトル 見習い職人フラピッチの旅
著者 イワナ・ブルリッチ=マジュラニッチ
出版社 小峰書店
 

 靴屋(くつや)さんの小さい見習い職人(みならいしょくにん)がおりました。この子には、お父さんもお母さんもいませんでした。名前はフラピッチといいます。

 フラピッチは、おそろしいムルコニャ親方の店でブーツを作る仕事をしていました。ムルコニャ親方は冷たくて思いやりのない人で、いつもフラピッチをののしり、どなりつけていました。

  ある日、フラピッチはお金持ちの紳士からの注文で、紳士の息子のために親方とブーツを作りました。ところが、そのブーツは紳士の息子がはいてみると、きつかったのです。紳士はブーツを受け取らず、お金も払わずに帰ってしまいました。

 親方はフラピッチにどなりつけ、ブーツでフラピッチの背中をなぐりました。そして、フラピッチに、このつぐないをしてもらうからなとおどしました。それは、フラピッチがブーツのために、まだたたかれるということでした。

 フラピッチは、この親方のところから逃げて、旅に出ようと決心しました。

 靴屋のみんながぐっすり眠っているころ、フラピッチは起きだし、親方と、フラピッチをかわいがってくれた親方の奥さんに、それぞれ手紙を書き残し、紳士の息子のために作ったブーツをはいて店から逃げ出しました。

 ところが、街はフラピッチが思っていたよりも広くて、街を出てしまわないうちに夜が明けてしまいました。

 そんなとき、フラピッチは街のはずれで牛乳を配達しているおじいさんに出会いました。おじいさんは高い四階建ての建物の一番上に牛乳を運ぼうとしていましたが、階段を一段も上がらないうちに、階段の下でよろけて座り込んでしまいました。そこでフラピッチはおじいさんの代わりに牛乳を運んであげることにしました。 はたしてフラピッチは親方から逃げ切れることが出来るのでしょうか。

【 約100年ほど前に書かれたクロアチアの有名な児童文学作品で、クロアチアでは知らない人はいないくらい有名なお話です。2010年には当作品の作者にちなんだマルチメディア文化センター「イヴァナのおとぎ話の家」が、クロアチアの都市オグリンに開設されました。】

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