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4年生の今月の本


月夜にいらっしゃい タイトル 月夜にいらっしゃい
著者 竹下 文子
出版社 金の星社
 

 みゆは、ふつうの女の子です。だけど、ひとつだけ、かわったくさがあるのです。それは……、お月さまを見るのが大すきなこと。空にきれいなお月さまをみつけると、じっとしていられなくなってしまうのです。

  ママの話では、あかちゃんのころから、そうだったんだって。ぐずってなきやまないときも、だっこしてまどからお月さま見せると、うそみたいになきやんで、ごきげんになったんだって。よちよち歩きのころ、――まだ団地にひっこしてくるまえ、――

 月夜にひとりで庭に出て、そのままどんどん道を歩いていって、まいごになりかけたこともあったそうです。

「へんなところが、にたのねえ
 」ママは、ためいきをついて、でもなんだかうれしそうに言いました。

 そう、じつはママにもみゆとおんなじくせがあるのです。お月さまを見ると、むちゅうになってしまうというくせが。ここの団地にひっこしてくるのだって、ママが心配したのは、やちんでも、部屋の広さでもなく、「月が見えるベランダがあるかどうか」でした。そして、パパが心配したのは、「七階のベランダからママが落っこちないかどうか」でした。

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