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5年生の今月の本


こちら『ランドリー新聞』編集部 タイトル こちら『ランドリー新聞』編集部
著者 アンドリュー・クレメンツ
出版社 講談社
 

 5年生になったばかりのカーラ・ルイーズ・ランドリーは、このデントン小学校に引っ越してくるまで、教室にいてもだれにも気づかれないほど目立たない女の子でした。
 ところが、5年生になってまもないある日の午後に、状況はすっかりかわってしまいます。きっかけを作ったのはカーラの担任になったラーソン先生でした。

 このラーソン先生というのは、保護者から 「うちの子だけはけっして、ラーソン先生のクラスには入れないでください」 と校長先生あてに手紙を書かれてしまうようなとんでもない先生です。
 それもそのはず、なにしろ先生には授業をまともにやろうという気もちがこれっぽっちのないのですから。おかげでカーラのいる一四五番教室はいつも荒れほうだいです。こわれた窓ガラスに足のふみ場もないほどぐちゃぐちゃの床。大あばれする子ども達。けれども、長年この混乱(こんらん)ぶりが気にならないよう訓練(くんれん)してきたラーソン先生はおちついたものです。

 そしてもう一人、この教室の中で自分の時間を大いに楽しんでいる人がいました。カーラです。生徒たちの金切(かなき)り声をものともせず、カーラが打ちこんでいたのは学級新聞作りでした。

 次の日、ラーソン先生が一四五教室に入ると、信じられないことに、教室が静(しず)まりかえっているではありませんか。よく見ると、みんなが掲示板(けいじばん)の前にあつまって、熱心(ねっしん)にカーラの新聞を読んでいるのです。

「ほら見てごらんなさい。」
――生徒が自主的に勉強を始めている! わたしの教育の成果(せいか)がやっと身をむすんだのだ! 先生は大満足(だいまんぞく)ではな息をあらくしながら自分も新聞を読みはじめました。するとそこには、ラーソン先生の思ってもいなかったような記事(きじ)がのっていたのです……。

【 ラーソン先生はどうして授業をしなくなってしまったのでしょうか。そのなぞがわかったときから、カーラのクラスは変わり始めます。また、カーラのクラスメイト達は、新聞作りを通じて、言論の自由にはさまざまな責任がともなうということに気づきます。言論の自由とは何か、表現するとはどういうことなのか、みなさんも物語を読んで考えてみてください。 】

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