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5年生の今月の本


雨あがりのウェディング タイトル 雨あがりのウェディング
著者 矢部 美智子
出版社 講談社
 

 あと三週間。あと三週間で、父さんは小竹さんとけっこんしてしまう。わたしの母さんは母さんだけなのに、父さんのおくさんは、母さんではなく、小竹さんになってしまう……。

 朝子は小学五年生。三年前、交通事故で母さんをなくした。以来、朝子は内科と小児科のお医者さんをしている父さんと二人ぐらしだった。ところが、去年のクリスマス、朝子は父さんから、外で食事をしようとレストランにさそわれ、そこで意外な人をしょうかいされたのだ。

 小竹千秋さん。小竹さんは中学校で母さんと仲良しだった人。

(どうなってるの、父さん? 小竹さんは、母さんの友だちなのに。どうして父さんが、わたしにしょうかいするの?)

 その意味に気がついたとき、朝子はがーんとなった。父さんと母さん、母さんと小竹さん、そして父さんと小竹さん……、三人のおとなたちが、いろんな組み合わせで朝子の頭の中でぐるぐるまわって、ぴたっと止まった。そして、そのしゅんかん、朝子には、自分のとるべきたいどがはっきりわかった。父さんと自分と小竹さんの関係がはっきりとわかった。悲しんでなどいられないと思った。もっと、しゃきっとしなくちゃ、母さんのぶんもしゃきっと。

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