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5年生の今月の本


青い鳥は生きている タイトル 青い鳥は生きている
著者 国方 学
出版社 ポプラ社
 

 ある日、純の家に青い色のセキセイインコが舞いこんできた。よく人になれていて、純がみかんをむきはじめるととんできて、うまそうにむしゃぶりつく。お母さんの許可がおりて、その鳥は、純の大事なペットとして飼われるようになった。名まえはみかんみかんはすぐに純の家庭にとけこんだ。かごから出してやると、家族三人の肩や頭の上をつぎつぎととびうつり、口うつしでエサをたべたり、耳もとでささやいたりする。

 だから、みかんが自分からとびたつなんて考えもしなかった。ある日、純がベランダに出たとき、アッと思ったときはもうおそく、みかんは夕方の空に青い羽根を光らせてとんでいった。

 純は一ヶ月いっしょにすごしたみかんとの日々をわすれることができない。あきらめきれずに、近所の電柱にインコさがしのビラをはったり、新聞に投稿したりした。みかんがとびたって四週間もたった六月はじめごろだった。それはお母さんあての手紙で、知らない女の人の名前が書いてあった。

「みかんのような鳥が、現在私どもの鳥といっしょに元気にくらしております。このとりがお宅のみかんならば、どうか大切に飼育いたしますので、しばらくのあいだ、あずからせてほしいのです。ある事情により、今この鳥をてばなすことができないのです。」

 いったい、ある事情とはどういうことなのだろう…。

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