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6年生の今月の本


ペンフレンド タイトル ペンフレンド
著者 植松 二郎
出版社 童話屋
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 ぼくの名前は丸山耕一。有名な三原山のある伊豆大島に住んでいる。ぼくは、小さいころのけががもとで、右手がうまく動かない。病院の先生のすすめで、右手をきたえるために文通をすることになった。

 文通の相手は池沢道太郎。鳥取県に住む、ぼくと同じ小学六年生だ。ぼくは手紙なんかぜんぜん書いたことがないし、作文だって苦手だ。一文字書くのに十秒ぐらいかかるのですごく疲れる。それでも三日かけて手紙を書きあげた。

 返事はなかなか来なかった。「六時間もかけて書いたんだぞ」と思うと、腹が立ち、「もう文通なんてやめた」と思ったとき、返事が来た。手紙の内容は、やけに大人っぽかった。

「……砂丘もいい。風紋といって、風がつくった砂の模様が、一日も同じではない。遠くを歩く人の姿がアリのように見える。西の端に、有島武郎というえらい人の碑がたっていて、『浜坂の遠き砂丘のなかにしてさびしきわれを見いでけるかも』と書いてある……」

――こんなぐあいだ。めがねをかけた色の白い少年の姿が頭に浮かんでくる。池沢君は、えんぴつのほかにも右手をなおす方法があるから教えてくれるという。

 池沢君の教えてくれた右手の訓練とは、はさみを使うこととケンカをすることだった。さっそくケンカをする機会がやってきた。チームでケットウし、一人でも泣いた側が負けとなる。彼に相談したところ、作戦をたててくれた。彼は、相手を泣かせるぐらいなら簡単だという。使う武器は、床屋で使う、合わせ鏡とヒゲソリに用いる泡立てるブラシ。場所は、岩があってかくれる場所のある海岸。ここへ相手を誘導し、あとは計画していたことを実行する。

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