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6年生の今月の本


もうひとつの曲がり角 タイトル もうひとつの曲がり角
著者 岩瀬 成子
出版社 講談社
 

小学五年生の朋は、マンションから一軒家に引っ越してきたばかりだ。引っ越してすぐ、おかあさんが「将来の役に立つから」と英会話スクールをすすめ、朋は「通いたくない」と一度は言ったものの、「ね」と強くすすめる母に押し切られ、通うことになった。しかし、英会話スクールに通い始めて二か月がたったが、自分が英会話を好きになりそうな感じはぜんぜんしなかった。
ある日、英会話スクールに来てみると、「今日は、おやすみ」と張り紙があった。朋は、「ちょっと行ってみようか」と同じ道を通って家に帰るだけじゃつまらないと、いつもと違う道へ入ってみた。
知らない道をすすむと、「お好み焼き 小春」という看板があり、さらに先には、「丸本自動車」と書かれたさびたシャッターのおりた店があった。そのとなりには、「たばこ」の小さな看板が軒下にぶら下がった家があった。さらに進んでいくと、女の人の声が聞こえてきた。声は、木がしげっている庭の奥から聞こえている。
だれがいるんだろう。
足音を立てないようにして、そっと扉の間から庭に入っていった。しかられたら、すぐに逃げ出すつもりだった。ちょっとだけ、のぞいてみたかった。

●このお話は、曲がり角をまがった先の不思議な通りで出あう、オワリさんというおばあちゃんとみっちゃんという小学生との交流と朋の家族の物語という3つの時間と空間、やりとりが織り交ざったストーリーになっています。オワリさんとの場面、みっちゃんとの場面、朋の家族との場面とそれぞれの場面が立ち替わり描かれるため、ストーリーに入りづらいと感じる人もいるかもしれません。オワリさんとみっちゃんとの交流によって、朋の気持ちの変化していく様子やおかあさんやおとうさんの人間らしい心が描かれているので、心情の動きを感じられるお話です。

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