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6年生の今月の本


冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間 タイトル 冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間
著者 斎藤 惇夫
出版社 岩波書店
 

 ドブネズミのガンバは、台所の床下の貯蔵穴に住んでいました。自分で工夫した安全な住みかと十分な食料に恵まれていながら、これといって冒険をしたことがないガンバには、食後のゆったりした時間に考えることがありません。

 昔の仲間であるマンプクが、そんなガンバをたずねてきたのは、ある蒸し暑い雨の夜でした。
「ガンバ、海に行かないか」
マンプクは突然切り出しました。
「あさっての夜、港で年に一度の船乗りネズミの集まりがあるんだ。おもしろいらしいぜ。それに船乗りネズミが、外国から持ってきためずらしい食べ物を分けてくれるんだそうだ。海へ行けばきっと何かが待っている。な、ガンバ、海へ行こうぜ」

 マンプクのやつ、食べ物がめあてだな――そうガンバは思いましたが、ともかくいっしょに行ってみることにします。港に知り合いのないガンバたちは、途中たまたま言葉をかわしただけの、ガクシャというネズミのグループにまぎれこみました。酒の飲み比べ、踊り比べ、すもうなどをするうち、だんだん打ち解けてきた船乗りネズミたちは、ガンバを海での冒険にさそいます。ガンバが断って家に帰ろうとしたその時、血だらけになった一匹のネズミがみんなに助けを求めてきました。

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