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6年生の今月の本


水を縫う タイトル 水を縫う
著者 寺地 はるな(作)
出版社 集英社
 

 入学式を終えて案内された教室の机には、出席番号と氏名が書かれたちいさな紙がはってあった。「四十番 松岡清澄(きよすみ)」の席は、窓際のいちばん前だ。
「じゃあ今からひとりずつ立って、自己紹介をしてもらいます」
いつのまにか、僕の番になっていたようだった。担任に目顔で合図されて、あわてて立つ。
「松岡清澄です。寝屋川〇中から来ました。部活は、まだ決めていません」
 そこで息を吐いた。ほんとうは、言わなくてもいいことはわざわざ言わないでおこうと決めていた。めんどくさいことは好きじゃないのだ。これから三年間、つつがなく高校生活を過ごせたらそれにこしたことはない。
「でも、縫いものが好きなので手芸部に入るかもしれません」
教室の空気が微妙に変化したような気がした。

★男だけど、縫いものが好きな清澄。女だけど、かわいいものが苦手な清澄の姉。清澄の母は清澄に“普通の男の子”であることを望んでいる。父親は、小さい頃に離婚し一緒に暮らしていないが、定期的に会っている。
ある日の夕食時、結婚式に向けて準備を進めている姉がウェディングドレスはどれもフリフリで、着られそうにないといった。着られるドレスがないなら、つくればいいのでは?と考えた清澄は「僕がドレスつくったるわ。フリフリでぴらぴらしてない、ええ感じの」と、姉のウェディングドレスを作ると言いだした。

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