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6年生の今月の本


大きくなる日 タイトル 大きくなる日
著者 佐川 光晴
出版社 集英社
 

〇四本のラケット

 朝練で荒れたコートを、昼休み中にブラシでならすのは一年生の役目だ。ただし、二十四人全員でする必要はないので、グーパーじゃんけんの一発勝負で人数の少ないがわになった者たちが四面あるコートの整備に当たる。 
「おい、末永。早く来いよ」
ぼくがみんなの輪にはいりかけたときに武藤がどなって、ふりかえると末永が昇降口から出てきたところだった。長髪を、トレードマークのヘアーバンドでまとめた末永が、長い手足をふって一気に迫ってくる。
「太二、パーな」
武藤は小声で言うと、そっぽをむいた。いままで一度もなかったことだが、みんながなにをしようとしているのかはわかった。やめたほうがいいよ、ということばが口から出かかったときに末永が到着した。

★一中の男子テニス部に代々うけつがれている伝統、お昼休みのコート整備を決めるグーパーじゃんけん。主人公の太二は「もし、一人になったら……」とこの昼休みのじゃんけんがゆううつだった。ある昼休み、部員の末永がじゃんけんの輪に少し遅れてやってきた。そして、その日のグーパーじゃんけんで、末永が一人「グー」。太二は、「パー」を出したことを後悔し、自分はこれからどう行動すべきか悩みながら過ごすものの、どうすればいいのか考えがまとまらないまま、翌日の昼休みがやってきた。

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