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6年生の今月の本


クヌギ林のザワザワ荘 タイトル クヌギ林のザワザワ荘
著者 富安 陽子
出版社 あかね書房
 

 矢鳴先生は、科学者でした。今先生は、「空を飛ぶ雲」の研究をしています。でも、先生の研究はまだ世間に認められていません。朝早くから起きて、あさま屋豆腐店でアルバイトをしています。先生のつくる「若草豆腐」は、この店の名物でした。仕事が終わると、決まってお給金と、おからの固まりと、絹ごし豆腐一丁を店の奥さんからもらって帰ります。

 アパートに着くと、もうおなかをすかせたたくさんの猫が待っています。先生は白衣のポケットから大きなおからの固まりを取り出すと、牛乳を混ぜておからのミルクだんごを作り、猫たちに分けてやっているのです。 ある朝のこと、アパートの大家さんがやって来ました。
「さっそくですが、矢鳴先生、あなたにここを出ていってもらいたいのです」
「しかし……」

 大家さんは、アパートの住人がみな矢鳴先生をこわがっているというのです。先生は、自分の研究がいかに正当なものか必死に説明します。しかし、返事は、
「科学者をこわがっているのではありません。あなたを、です!」
先生は、背が高く、大きなドングリまなこをしており、胸までひげをた垂らしています。みんなが気味悪がり、おそれるのです。

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