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1年生向け季節の本

チョコレートのまち タイトル チョコレートのまち
著者 深見 春夫(作・絵)
出版社 佼成出版社
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 ここは、チョコレートがすむまちです。チョコレートは、あたためるとやわらかくなるので、すきなようにじぶんのかおのかたちをかえることができました。

 子どもたちのあいだでは、どうぶつのかおになるのがはやっていて、クニオはシカのかおをしています。クニオのクラスのボン太は、ワニのかおをしていて、とくべつにいばっていました。きにいらないことがあると、大きな口をひらいておどかすのです。クニオは、そんなボン太をこらしめようと、きょうりゅうのティラノサウルスになることにしました。

 つぎの日、ティラノサウルスになったクニオは、ボン太にいいました。
「いばるのはやめろよ。やめないと、ぼくがしょうちしないぞ」
 するとボン太は、口をクワーッとひらいてかみつこうとしました。クニオは、ワニよりもっと大きな口をグワーッとひらいてみせました。ボン太はそれを見ると、まっさおになって、それからというもの、ボン太はクニオにいばらなくなりました。ボン太がほかの子をいじめているときも、クニオはとんでいってやめさせました。こうしてクニオは、クラスの人気ものになりました。ところが、日がたつにつれて、クニオはだんだんかわっていきました。せいかくまで、ティラノサウルスににてきたのです。

いじわるをやめさせるためにティラノサウルスになったはずが、今度はクニオがボン太のようにいばるようになってしまいました。クニオはもとのやさしいクニオに戻れるのでしょうか? 温めるとやわらなくなるというチョコレートの性質を上手に使った設定がとてもおもしろく、お子さんの興味をそそることまちがいなしの一冊です。
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