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1年生向け季節の本

三びきのコブタのほんとうの話 タイトル 三びきのコブタのほんとうの話
著者 ジョン・シェスカ(文)
いくしま さちこ(訳)
レイン・スミス(絵)
出版社 岩波書店
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 だれだって、『三びきのコブタ』のはなしはしっている。いや、しってるつもりになっている。ここで、みんなにちょっとしたひみつをおしえてやろう。じつをいうと、だれもほんとうの話をしらないんだ。なぜって、おれのいいぶんをきいたやつは、まだひとりもいないからさ。

  そう、おれがあのオオカミ。どうしておれがわるものになっちまったのか、わからないんだが、そんなのはまったくのうそっぱちだ。もしかしたら、おれたちのたべもののせいだろうか。……いやいや、それはちがう。だって、おれたちオオカミのたべものがウサギとかヒツジだっていうのは、むかしからそうだったんだから。

  もういちど、いわせてもらおう。おれがわるいオオカミだってのは、まったくのうそっぱちだよ。だから、今からそのほんとうの話をすることにしよう。

お子さんもご存知の童話『三びきのコブタ』。だれだって、お話に出てくるオオカミはわるいやつだって思いますよね。でも、そんな悪者のオオカミにも言い分があったら……? よく知っている童話だからこそ、登場人物の視点の転換がユーモアで面白い一冊です。
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