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1年生向け季節の本

ねんどのぞうのはなくらべ タイトル ねんどのぞうのはなくらべ
著者 松野 正子(作)
鎌田 暢子(絵)
出版社 大日本図書
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 りょうちゃんとさとちゃんは、いえがとなりどうしの、なかよしです。
「ねんどあそびしよう」
 りょうちゃんがいいました。
「うん、ねんどあそびしよう」
 さとちゃんがいいました。
「ぼく、ぞう つくろう」
「わたし、ぞう つくろう」

 そして、ふたりは、それぞれ、ぞうをつくります。
「ぼくの ぞうのはなのほうが ながいよ」
 りょうちゃんがいいました。
「あたしの ぞうのはなのほうが ながいよ」
 さとちゃんがいいました。
「ぼくのほうが もっと ながい」
「わたしのほうが もっともっと ながい」
と、いいながらふたりは、ねんどのはなをこねて、ながくながく のばしました。ぞうのはなは、つくえからぶらさがって、たたみについて、のびて のびて そとにでて みちまできました。

「ぼくのほうが」
「わたしのほうが」

  だんだん、はなは、ながくほそくなって、うらのはらっぱについたときには、みえないくらいほそくなりました。それでもふたりは、つづけます。
「ぼくのほうが」
「わたしのほうが」
 ……。

相手に負けまいと長さを競いながら、ぞうのはなをのばしていく二人の姿が、無邪気で、とてもかわいらしいです。ふたりの会話が、おなじセリフの反復や重ね言葉なのでテンポよく読むことができます。「ねんどをどこまでも、のばしてみたら、どうなるのだろう」という、子ども心をくすぐってくれるのではないでしょうか。
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