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1年生向け季節の本

ふわり大おとこ タイトル ふわり大おとこ
著者 小野寺 悦子(作)
長野 ヒデ子(絵)
出版社 教育画劇
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 山おくに すんでいた大おとこは、とても気がやさしい大おとこでした。

 まいにち ごはんを山もり たべて、そして のこりをことりに ぱらぱらとまいて わけてやっていました。大おとこは、ことりがとんでいるのをうらやましくおもい、
「いいなあ おれも とんでみたいな。」
と、いわや 木のえだから、ためしに とんでみますが、とんでは おちる、おちては けがするという くりかえしでした。

 でも、あるあさ、とつぜん、あっとこえをあげました。
「なんで いままで きがつかなかったんだろ!」
「とぶためには、ことりと おんなじに くえば いいんじゃないか!」
 そういって、大おとこは、一日に スプーン一ぱいのごはんと むしと くさのつゆだけを たべることにしました。そのせいで、大おとこは ずんずん やせていきました。

結局、大おとこは、「こういう とびかたも あったのか……」といいながら、飛ぶことができます。さて、いったい、どんな飛び方をしたのでしょうか。人をうらやましく思って、真似をしたくなる気持ちは、だれにでもあるもの。ことりのように飛びたくて、ことりと同じ食事をしてしまった大おとこは、とてもこっけいに見えますが、あながち笑えない面もありますね。
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