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1年生向け季節の本

赤いポストとはいしゃさん! タイトル 赤いポストとはいしゃさん!
著者 薫 くみこ(作)
黒井 健(絵)
出版社 ポプラ社
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 山のふもとのはいしゃさんは、わかくてうでがいいうえに、それはしんせつ。だからびょういんはいつもまんいんでした。
  さて、その日、せんせいはかえりのおそいおかあさんをまっていた女の子を赤いポストのところまでおくりとどけました。
 おかあさんに手をひかれて歩いていく、とおくの女の子に手をふったとき、あわい光のようなゆきがほとほととふりはじめました。すると、ポストのうしろで小さなこえがしました。

「りすおくん……ポストとりんごはちがうでしょう。」
 のぞくと、そこにいたのはりすのおやこです。
「こまったねえ。まえばがかけちゃってるよ……。」
 こどものりすがあやまってポストをかじり、まえばがかけてしまったようです。
「だいじょうぶ。ぼくがなおしてあげますよ。」
 気がつくと、せんせいはこういっていました。そして、おやこをびょういんにつれてかえると、みるまにかけたまえばをもとどおりになおしたのでした。

 つぎの日、せんせいのおかあさんのところには、小さなりすのあしあとのついたはがきがとどきました。てがみをかくのがにがてなせんせいは、ちりょうだいのかわりに、りすのおやこにてがみをかくのをてつだってもらったのです。

それから、ふもとのはいしゃさんは、山の動物たちのあいだでも評判となります。そして、せんせいは動物たちを治療するたびに、かわいらしいはがきを赤いポストから出しに行くようになりました。そんなやさしいはいしゃさんに、ある日、赤いポストがあるおくりものをとどけてくれたのです。その“おくりもの”とは……?
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