2025中学入試 弊社会員の合格・進路選択状況

2025 年 2 月 28 日

 2025年度の中学入試における弊社会員受験生の合格・進路選択状況がほぼ確認できましたので、おそまきながらご報告します。弊社は基本的にご家庭の受験校選択や進路選択に関与しませんので、以下の資料は受験生の動向調査という意味合いにおいて、これから受験されるご家庭にとっても大いに参考にしていただけるでしょう。

 なお、県内の主要中学校の入試日は、基本的に重なることはありません。したがって、受験生は受けたい中学校のほぼすべてを受けることができます。弊社会員の場合、だいたい3~4校受験が主流です。ただし、なかには「〇〇中学以外は受かっても行かない」というお考えから、1校のみ受験されるケースもありますが、極めてまれです。2校・5校受験は結構あり、なかには7~8校受験の例もあります。受験校の選択は、最終的にはお子さんの学力の仕上がり状態や、通学の利便性、学校の教育環境やカラー等との兼ね合いで決めておられるのだと思います。また、お子さんの体力を踏まえ、受験日の間隔を考慮して受験校を決めることも大切でしょう。

 女子の私学や共学の私学では、専願制を採用しているところが何校かあります。専願で受験した場合、入試での点数に若干上乗せがある代わりに、受かった場合はその学校に入学手続きをするのが約束となっています。実際、弊社会員家庭のほとんどは、専願で受かったら他校に合格してもこの約束を遵守しておられます。では、さっそく弊社会員の合格状況、進路選択状況をご紹介してみましょう(受験者数、合格者数の少ない中学校については、報告を割愛しています。ご了承ください)。

 かねてより弊社会員の主要な受験対象校は、広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院の私立4校と、国立の広島大学附属中学校でした。それは今も変わりません。資料でもおわかりのように、これらの中学校合格者の歩留まりは他の私立中学校よりも高くなっています。ただし、広島城北、安田女子、広島なぎさなどにも多数の会員が受験し、一定数が進路に選んでいます。なお、後発組の私学で近年受験者を増やしている学校があります。たとえば広島国際学院中学校には、今年弊社の会員男女合わせて40名が合格しています。この数は以前と比較にならないほど多く、しかも13名が進路に選んでいます。この私学は中学校部門を設立して歴史は浅いですが、学校の努力により年々存在の認知度が高まっています。広島市東~南部、呉市、東広島市を結んだ位置にあるとともに、周辺に競合校がないという地理的条件も同校にとって有利に働いている面もあるでしょう。AICJ中学校も、近年になって弊社からの志願者が増えています。今年は男女合わせて36名が合格し、10名が進学する予定です。英語教育に熱心なことや、インターナショナル・バカロレア(I・B)の認定資格を得られることなどが一般にも浸透し、語学に興味のある受験生(特に女子)にとってそれが魅力に映るのでしょう。

 また、公立一貫校も今やすっかり人気が定着しています。右肩上がりだった志願者数がやや減少気味ですが、これは入学者選抜にあたって行われる適性検査の内容がよく知られるようになり、きちんとした基礎学力や思考力、分析力が伴っていないと受からないということが、浸透しつつあることも理由の一つかもしれません。それでも県立広島の倍率は4倍近くありますから相当な難関です。ただし、東広島市に立地するという条件ゆえ、受験生は地元の東広島市以外では、JR沿線に住まいのある受験生が大半となっています。弊社では、同校や広島中等教育学校への進学希望者の要請に対応すべく、公立一貫校の適性検査対策に力を入れています。今年は、県立広島を受検した会員受験生は53名でしたが、そのうち35名が合格しています。また、広島中等教育学校には20名が受検し、19名が合格しています。

難関校に複数合格した場合の進路選択

 まずは男子受験生の動向から。今年の広島学院への合格者は64名でした。そのうち他校を進路に選んだ会員受験生は14名でした。その内訳は、広大附属4名、修道7名、県立広島2名、広島なぎさ1名(特待生)でした。広大附属に合格した男子19名のうち、他校を進路に選んだのは11名で、全員が広島学院でした。県立広島の男子合格者は17名でしたが、そのうち他校への進学を選択したのは8名で、その内訳は広大附属2名、広島学院4名、修道2名でした。

 例年、女子受験生にとっての一番の憧れは広大附属です。広大附属の合格者の歩留まりは相変わらず高く、女子会員合格者12名のうち他校を進路に選んだのは2名でしたが、進学先はいずれもノートルダム清心でした。清心に合格したものの他校を進路に選んだのは19名で、その内訳は広大附属10名、広大附属東雲1名、市立中等教育1名、県立広島3名、広島叡智学園1名、広島女学院2名でした。県立広島に合格したものの、他校を進路に選択したのは5名で、その内訳は広大附属3名、ノートルダム清心1名、広島女学院1名でした。

 以上、今年の弊社会員受験生の合格状況と進路選択状況をご紹介してみました。今年も例年の傾向に続いて男女ともに中学受験生の数は若干減少しています。かつて子どもの数が多く、中学受験がブームだったころと比べると随分合格を巡る競争は緩和しています。少子化と地方経済の停滞は、当然弊社のような進学塾に通う受験生の数の減少とリンクしています。実際、弊社の会員児童の数も以前と比べるとずいぶん減っています。しかしながら、その分受験生一人ひとりへの目配りやサポートは手厚くなっています。通ってくださる受験生の子どもたちが「通ってよかった」と言ってくださるよう、誠心誠意指導にあたってまいります。また前述のように、公立一貫校への進学希望者に対する進路保障はどこにも負けない水準にあると自負しています。これから塾通いを検討されるご家庭におかれては、ぜひ弊社への入会を検討していただきたく思います。

 なお、志望校に進学する夢が叶えば、あとの人生が保障されるわけではありません。弊社では、ご家庭からお預かりした子どもたちがどの中学校に通うことになっても、そこでの学習環境に適応し、自分で学力を伸ばしていけるよう、自律性の高い学習姿勢の醸成に努めています。これからも、子どもたちが未来に希望をもって学び続けることを願って指導にあたってまいります。変わらぬご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 今回の記事が、来年以後に受験を控えておられるご家庭にとって、多少なりとも参考になれば幸いです。

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‟人間性善説”に立つ中学受験指導へのこだわり

2025 年 2 月 21 日

 中学入試シーズンが終わり、各中学校の定数調整のための補欠繰り上がり発表なども収束しています。弊社も今年度の中学入試合格状況を公表しておりますが、本ブログで毎年公表している合格会員の進路選択状況についてはまだ確認終了に至っていません。もうすぐお知らせできると思いますのでご了承ください。

 さて、今回はいつもとは少し毛色の変わったテーマに基づいて書いてみようと思います。みなさんは、性善説と性悪説という言葉をよくご存知のことと思います。性善説は孟子(もうし)、性悪説は荀(じゅんし)が唱えたものと言われています。前者は人間の本性を善人とみなし、後者は悪人とみなしていると一般に言われていますが、どちらの説も根底に教育の必要性を説いているのだという点では同じです。

 この二つの説を子どもの受験指導に当てはめて考えてみたのが今回の記事です。「子どもは放っておくと怠けてしまい、ちゃんとやるべき勉強をやらないから厳しく管理し、無理やりにでもやらせないと受験での合格は覚束ない」という考えに基づく学習指導は‟性悪説”に近いものと言えるでしょう。いっぽう、「子どもは例外なく知識欲や向上心を携えている。それを上手に引き出せば、大人が無理強いしなくても自分でやるべき勉強に取り組んで、進学の希望を叶えることができる」という考えに立って学習指導を行ったとしたら、それは性善説に近いものだと言えるでしょう。

 どちらの考えにも一理あり、筆者自身も若い頃には二つの考えの間を揺れていた時期があります(ただし、弊社の学習指導の理念は明らかに‟性善説”に立ったものです)。確かに、子どもは大人の環境設定や接しかた、指導の方法の如何によって、怠惰な勉強に陥ってほとんど無為な毎日を過ごすようになるおそれもありますし、逆にやるべき勉強を自ら心得て素晴らしい取り組みをしたりするようになる可能性もあります。いずれにしても人生経験に乏しい小学生であるゆえ、大人の手助けなしに受験生活を乗り切るケースは稀です。今回の記事のタイトルは、中学受験の難しさの一つはここにあると思って思いついたものです。

 小学生という年齢期の子どもは何をするにも心もとないものです。その代わり、大人の保護下になければ生きていけない未熟な状態にありますから、多少の抵抗はしても結局は大人の言うことを聞きます。受験勉強においても例外ではありません。そこで保護者も学習塾の指導担当者も「やらせる」「取り組ませる」というスタイルの関わりを意識的にも無意識的にもとりがちです。ただし、どなたも「子どもが自分から勉強に取り組むよう導くのと、子どもに指示や命令を下して勉強に取り組ませるのとでは、どちらが望ましいですか?」と問われたなら、「そんなことはわかっている」とおっしゃるでしょう。自分から取り組むのがいいに決まっています。そのように導くのが難しく、多大なエネルギーを費やすことになるから、つい手っ取り早いほう、確実にテスト成果が見通せるほうを選択することになりがちなのでしょう。

 つぎに別の観点から、どちらの説に基づく指導がよいのかを考えてみましょう。今や人工知能のAI時代だと言われています。AIは人手を大幅に省力化します。そんな現代社会において創造的かつ豊かな人生を送れるのは、AIのできない仕事ができる人、AIを使いこなせる人だと言われます。AIが苦手とするのはきわめて創造性の高い分野、データが活かせない、そもそもデータがない分野の仕事でしょう。このような条件下で活躍できる人間はどうやって育つのかを考えれば、性善説と性悪説のうち、どちらの考えに立った学習指導が望ましいかは明らかでしょう。勉強のよさや重要性をよく理解し、自分の取り組むべき勉強を自らの判断に基づいて取り組んだ人間のほうが創造性豊かな頭脳の持ち主になれるし、少しでも可能性を見出したなら成功するまで粘り強く物事に取り組むこともできるでしょう。

 家庭学習研究社を創設した坪内茂美(故人)が、小学生の受験指導の面白さにのめり込み、現在のような指導方針、指導システムを考案した理由は、性善説に立った学習指導の優れた可能性に着目したからだと思います。子どもというものは、大人の指導の仕方ひとつで驚くほど変わり、成長していくことを実感したのです。筆者は大学で教育心理学、教育学、教育社会学を修めましたが、昭和60年に入社(広報の仕事を任されることが入社の動機でした)してから家庭学習研究社の学習指導を丹念に調べていくと、子ども自身が主体となった受験対策で合格を得るためのしくみがよく考えられていことに驚きました。あとで聞いたことですが、学習塾の立ち上げにあたって、当時教育者として高いレベルにあったかたから熱心なアドバイスをいただいて指導の方針や方法、システム等を練りあげたそうです。

 このことをご説明すると長くなるので割愛しますが、ごく簡単に言うと「考えること、自分で解き明かすことの面白さを子どもたちが体感できる授業を実践すること」「家庭での一人勉強を可能にするテキスト・カリキュラムを作製すること」「小学生が無理なく取り組める学習難易度の設定(地元の最難関校に合格できるギリギリのラインを狙う)」「学習の計画性、習慣づけ、行動の自己管理面を考慮した家庭学習の応援システムの練りあげ」などです。ただし、このような要素を盛り込んだ受験対策は、家庭勉強の比重を必然的に重くします。すなわち、保護者のサポートや応援が欠かせません。当然、塾の方針や指導システムの意図をよくご理解いただく必要もあります。ただし、難しく考えるのではなく、「何事においても子どもの自立を尊重する」という考えに立って粘り強く応援すればよいのだとお考えください。はじめは苦労されるかもしれませんが、いったん勉強姿勢が浸透したなら後がずいぶん楽になります。特に、受験勉強が佳境に入る6年生の秋以降になると、保護者の負担は随分軽減されていきます。そうなると、受験の結果も、さらに先も非常に楽しみになってきます。まさに、この段階に至るプロセスはしつけ・子育ての仕上げとリンクしています。

 長い間受験生と保護者を見守ってきましたが、今ものような上記のような指導方針は貫くべきだと思っています。むしろ、今日のような時代にこそ、一人でも多くの創造的頭脳の持ち主を育成すべきだと考えるからです。合格最優先なら、他によい方法があることでしょう。しかし、どのような受験結果になったとしても、そこから自分で這い上がっていけるのは、性善説に立った学習指導のもとで成長した人間だと確信しています。もしも子どもの自立という観点に立ってご家庭でお子さんの受験生活を見守り応援していただけるなら、ぜひ家庭学習研究社に入会していただきたいですね。絶対に後悔はされないでしょう。それは、立派に成長していった多数の子どもたちを見届けてきた筆者自身の経験から自信をもって言えることです。

 今回の記事は、思いつきに基づいて2時間足らずで書きあげたため、文章が整っていなかったり、不適切と感じられる表現があったりするかもしれません。事情に免じてご容赦の程お願いいたします。

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中学受験を終えたご家庭へのメッセージ

2025 年 2 月 4 日

 2月を迎え、およそ1か月に及ぶ広島の中学受験シーズンが終了しました。受験は、小学生の子どもたちにとって長期にわたる準備と助走を要する人生初の大きなイベントです。受験生自身はもちろんのこと、受験生活を支えてこられた保護者の方々も、ここに至るまでには多くのご苦労がおありだったことでしょう。ほんとうにお疲れさまでした。

 遊びたい盛りの小学生が、本来必要のない受験という目標をもったために様々なやりたいことを我慢し、目標達成のために勉強に日々打ち込む。それも1か月や2か月ではありません。2年、3年に及ぶケースはざらにあります。大半の受験生は、諺の「言うは易し、行うは難し」をまさに地で行く大変な生活を余儀なくされたことでしょう。児童数の減少等もあって、入試合格を巡る競争はゆっくりと緩和されつつありますが、それでも人気校への合格は簡単ではありません。受験生の努力の日々をつぶさに見守ってきた私たち学習塾の担当者は、受験を終えたすべての子どもたちに、「よくここまでたどり着いたね」とほめてあげたい思いでいっぱいです。

 受験勉強に打ち込む小学生を「かわいそう」とみる向きもありますが、児童期後半は人間としての枠組みの土台ができあがる時期です。自我が芽生え、それが徐々に確立されていく年齢期ですから、大人の命令に従ってただ受験生活を送っているわけではありません。受験に至る過程で様々な内面の葛藤を経験しながら、大半の子どもたちはやがて勉強と受験を自分のこととして受け入れ、行きたい学校を絞り込み、合格をめざしてがんばるようになります。途中で様々な困難にぶつかりますが、もがいたり悩んだり苦しんだりする経験の繰り返しを通して、それぞれにこれからの人生の歩みにおいて求められる様々なものを手に入れています。そこに中学受験の大きな価値があるのではないでしょうか。成長の途上期に大きな目標をもち、最後までがんばり通した者だけに与えられる宝物を子どもたちはきっと手に入れているに相違ありません。

 そこで今回のブログ記事は、受験生のみなさんに弊社(指導担当者)から慰労とお祝いのメッセージをお届けすることにいたしました。親子で目を通していただければ嬉しいです。

 

~保護者のみなさまへ~

 入学試験は、合格と不合格という二つの対照的な結果しか与えてくれません。しかし、中学受験では結果だけでなく、受験の経験をどう生かすかに目を向けるべきだと私たちは思っています。何しろ、お子さんにはこれから長い人生の歩みが待っているのですから。受験までのプロセスを親子で振り返ってみてください。手応えを得たことや反省すべき点がたくさんあると思います。それらこそが先々の飛躍に向けた貴重な経験です。お子さんのこれからの成長を念じてやみません。これからも応援しています!

 

 最後に、少しつけ加えてお伝えしておきたいことがあります。児童期は、脳の成長という観点に立っても非常に重要な位置づけにあります。このような時期に、覚えること、考えること、理解することを4つの教科を通して長期間くり返したわけですから、子どもたちの脳内の神経ネットワークは凄まじい数の連絡網を新たに築いています。受験勉強というものを経験していなかったなら、子どもたちの脳内の様子は随分違っているに相違ありません。

 受験までのプロセスにおいては、好奇心や探求心に駆られて取り組んだ勉強もあれば、苦手意識を克服すべく嫌な気持ちを乗り越えて取り組んだ勉強もあることでしょう。これらの努力を通して、子どもたちは高い学問適性を備えた人間へと成長しています。その成果は受験の結果とは別に、もっと重要な収穫としてもたらされたものです。これからも、勉学に取り組む道が長く続きますが、中学受験への挑戦で磨いた頭脳は大いに生かされます。自分の力を信じて、これからも努力を惜しまぬ人間であってください。

受験生の子どもたちのますますの成長を心よりお祈り申し上げます。

 

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低学年部門の新たな指導体制(新年度説明会のご案内)

2025 年 1 月 16 日

 ご存知かと思いますが、弊社には中学受験指導を実践する小学校高学年部門(4~6年生対象)のほかに、小学校低学年部門(1~3年生対象)の学力形成を支援する部門があります。このたび低学年の指導部門では、2025年度前期講座の会員募集の一環として、各校舎で「新年度説明会」を実施いたします(詳細は、弊社ホームページにてご確認ください)。

 弊社の低学年児童対象の講座は、昨年までは下部組織として設立された「ジュニアスクール」と、外部教材を導入して運営していた「玉井式国語的算数教室」との二つがありました。しかしながら、社会情勢の変化とともに一地方都市の中学受験専門塾が二つの講座を同時運営するのは難しくなり、2025年からジュニアスクールのみの運営に絞り込むことになりました。二つの講座は、それぞれまったく違った特性をもっており、目的に応じてお選びいただけましたので、できるならこのまま存続させたかったのですが、事情に免じてご了承のほどお願い申し上げます。

 弊社の下部組織としての成り立ちをもつジュニアスクールは、高学年部門にスムーズに順応することを意図し、学習の習慣づけ、能動的学習姿勢の育成、確かな基礎学力の形成等を柱に据えて指導にあたってまいりました。いっぽうの玉井式国語的算数教室は、学習に関わる重要な資質の臨界期が9歳前後までに集中していることに着目し、才能開発教育に特化していることに特色があります。残念ながら玉井式の運用は終了しましたが、2025年以後のジュニアスクールの指導においては、二つの講座を運営して培ったノウハウを生かし、より効果のある学習指導を実践してまいる所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 2025年のジュニアスクールの運営体制は以下の通りです。

 3年生は受験を前提とした学力の仕上げや、集団指導への対応力を養うため、週1日ではありますが授業による指導を行います。1・2年生は教室での集団指導に関しても年齢ゆえの難しさがあります。学習塾ゆえ、しつけ的な指導を目的としないため、集団による学習での成果を十分に引き出すのが困難である(授業中に、ルールの順守に向けた指導に時間をとられます)という理由もあり、家庭学習のみに限定することにいたしました。

 新年度説明会では、上記のような新体制に基づく弊社の低学年指導部門の内容についてできるだけわかり易くご説明いたします。3年生については、教室指導で実践する授業も併せて参観いただけます。ジュニアスクールの授業は、少人数集団指導のよさを最大限に生かしているのが特徴で、子どもたちの満足度が高いという点においても優れていると自負しています。この授業を参観いただき、週1日の通学に支障がないようでしたら、ぜひ通学コースに入会をご検討ください。4年生からは週3日の授業が指導の柱となりますが、それへの助走として3年生の通学コースをご利用くだされば、4年生からの受験勉強の態勢にスムーズに入っていただけるものと確信しています。なお、この説明会の内容は全会場共通です。最寄りの会場への参加が日程的に困難な場合は、別の会場(内容は同じです)にお越しいただいて構いません。ぜひ、お気軽にお越しください。

ジュニアスクール「新年度説明会」の主な内容

1.児童期前半までの学習の重要性・意義

 「勉強は、高学年になってから」とお考えの保護者もおありでしょう。しかし、正式な学習が始まる小1からのおよそ3年間は、学習の手段である文字や数字の操作技能、読み書きの基礎、理系分野で必須とされる感覚的素養などを磨く重要な時期であり、後手を踏むと追いつくのが大変です。なかには後付けが不可能な領域もあります。これらについて、具体的に詳しくご説明します。

2.家庭学習が育むもの・保護者に求められる関わり

 受験勉強で成果をあげている子どもの大半は、早くから高度な内容に手をつけている子どもではなく、学習をうまくやりこなしていくための土台がしっかりしている子どもです。たとえば、決めた時間になったら自ら机に向かう習慣、読み書きの基本、算数の計算処理能力などです。これらは家庭で対処できることですが、保護者の関わりかた一つで成果は随分変わります。この点をご説明します。

3.教材(ホームワーク)のしくみ・意図する成果

 低学年部門の学習の柱となるのは、いずれの学年も「ホームワーク」と名づけられた家庭学習教材です。算数と国語のプリント(B4版・両面刷り)で、週5日取り組んでいただきます。1日分の所要時間は約30分前後に設定しています。〇つけは保護者にお願いしています。〇つけにおいて保護者が判断に迷われる可能性の高い設問には解説を添えています。

4.授業(3年・通学コース)のしくみ・意図

 毎週1回の通学日には、少人数集団指導のクラス編成により、個々の状態を掌握するとともに、集団で学ぶことの利点を生かす授業の実践を心がけています。受動的に聞かせたり、問題を解かせたりすることに終始せず、一緒に考えたり、発表したり、グループで共同作業をしたりする場面を多数設けています。多くの受講生が「楽しい!」と語る授業経験が、4年部以降の指導成果にもつながっています。

 このほかにも、時間が許す限り低学年児童期までの学習に関わる重要な事柄について保護者にお伝えする予定です。ホームワークコースへの入会をご検討くださっている保護者は、「説明会」のみに参加いただきますが、3年生の「通学コース」への入会を検討いただいている保護者には、「説明会」終了後に引き続き「授業参観」をしていただく予定です。

 「低学年児童期の学習について知りたい」という趣旨で参加いただくのも構いません。ぜひお気軽にお越しください。参加方法等については、ホームページの案内をご覧いただき、所定の手続きをしていただくようお願いいたします。

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2025中学入試 受験生に贈る言葉

2024 年 12 月 25 日

 2024年も、余すところあと僅かになりました。新しい年が明けると、すぐさま中学入試シーズンに突入します。いよいよ待ったなしの状況が近づいています。受験を控えた6年生の子どもたちは、冬休みの講座で最後の仕上げに余念がないことでしょう。やるべきことを絞り込み、悔いの残らぬラストスパートを実現しましょう。

 弊社では、年が明けて入試がもうすぐやってくる段階になると、新年度の会員募集の案内チラシに「受験生への励ましのメッセージ」を掲載するのが恒例となっています。2025年度は、初めての試みで元旦(1月1日)の折り込みを予定しています。弊社のチラシは各種量販店などのそれと比べてちっぽけであり、元日のおびただしい量のチラシの中に埋もれてしまうおそれも感じますが、これまで縁のなかったかたの目に留まるかもしれないという広報スタッフの考えもあり、試してみることにしたしだいです。

 今回のメッセージは筆者が数年ぶりに担当しました。ただ、会員家庭の全ての居住地域をとてもカバーできませんし、近年は新聞を購読しておられない家庭がずいぶん増えているようです。そこで今回のブログで、そのメッセージをご紹介することにいたしました。6年生家庭の保護者で、このブログをお読みくださったかたは、ぜひこの言葉の意味を受験するお子さんにお伝えいただき、受験に向かう心構えの一つとして役立てていただければ幸いです。

  • 2025中学入試に臨むきみたちへ

入試本番の合言葉は、

「大胆かつ細心に!」

もうすぐ受験シーズンがやってくる。入試が迫ると誰だって緊張する。全ての受験生にとっての課題は、それをどう乗り越えるかだ。でも、心配することはないさ。そもそも、きみたちが緊張するのは真剣になっていることの証(あかし)だ。一発勝負のときに欠かせない集中力とパフォーマンスは、緊張状態にあるからこそ発揮されるんだよ。まずはそのことを知り、「緊張は自分の味方なんだ」ということを忘れないで。

もう一つ。きみたちに伝えたいことがある。「大胆かつ細心に」という心のもちようだ。これは、一橋大学の創設者である渋沢(しぶさわ)栄一(えいいち)という人が座右(ざゆう)の銘(めい)にした言葉で、「何ものも恐れぬ度胸と、細かい点への心配りを兼ね備えること」を意味する。まさに、入試に臨むきみたちにぴったりの言葉じゃないかな?

「やってやるぞ!」という心意気と、「落ち着いて、ミスをしないように…」という二つの気持ちを胸に、入試本番に立ち向かおう!自分の ベストを発揮し、悔いの残らぬ入試にきっとなるだろう。

きみたちの健闘を祈る!

 筆者が「大胆かつ細心に!」という言葉を知ったのは、大学入試に備えた勉強をしているときでした。進路を決定する重要な試験に臨むにあたり、この言葉がなんだか自分にフィットしているような気がして、勇気づけられる思いをしたことを記憶しています。やり直しが利かない一発勝負に勝ち残るには、自分のもてる力をきちんと発揮する必要があります。それを可能にするには、自らの士気を鼓舞するとともに、ミスをしないよう細かな心配りをすることも必要です。そのことを簡潔に言い表したのが、渋沢栄一(新1万円札の肖像で、お子さんがたにも知られるようになりました)が座右の銘にしたと言われるこの言葉です。

 「この学校にどうしても入りたい」という気持ちが強ければ強いほど、入試に臨む子どもはうまくいかなかったときのことを恐れて緊張します。しかし、緊張を経験しないで大人になる人などいません。一回勝負の場に立たされると誰だって緊張するのは当然です。しかし、緊張するのは悪いことなのでしょうか。よく「テンションが上がらない」などと嘆く人がいますが、このテンションは日本語に訳すと緊張であり、集中力や気合が高まっていることの証拠です。つまり、テンションは物事を成功させるうえで欠かせないものなんですね。ただ、緊張を誰もが恐れるのは、緊張過多になると逆にパフォーマンスを発揮できなくなるからです。

 そこで、おとうさんおかあさんからお子さんに伝えていただきたいことがあります。それは、「緊張はやる気になっている証拠だよ。緊張は実力発揮に必要なんだ。いいことなんだよ」ということです。「緊張は、あなたの味方なんだよ。勝負事で成功するために欠かせないものなんだからね」と励ましてあげてください。そうすれば緊張が適度なものになり、ベストパフォーマンスの発揮にきっと役立つことでしょう。

 もう一つ、「細心に」という言葉を、お子さんが入試でのミス防止に役立てるために伝えていただきたいことがあります。それは、過去のテストでのおびただしいほどのミスを話題にして、「今までにテストで散々ミスをしたのは、入試本番でミスをしないための練習だったんだよ」と注意を促すことです。「ミスの経験を、入試では生かすんだよ。答案を書いたら『おっと、ミスしていないかな』と、チェックしようね。そうしたら、これまでにたくさんテストを受けた経験が生かされるからね」――そう励ましてあげてください。きっと、残念なミスはたいがい防げることでしょう。

「大胆かつ細心に!」の合言葉を胸に刻み、お子さんが見事実力を発揮して入試の関門を突破されますように!

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