小学生だけを指導する者の専門性とは!?

11月 12th, 2008

 小学生を指導する者に必要な専門性とは何でしょうか。多くの人は、「教科知識」や「指導技術」を連想されると思います。確かにその通りです。しかし、私たちはこのようにも思います。小学生の学習指導にあたっては、子どもの発想や考え方を知り、学習課題の本質を理解できるよう上手に導ける者こそ、小学生の指導の専門家と呼ぶにふさわしいと。

 いくら教科の知識があっても、あくまでそれはその人自身のものであり、子どもの学習の促進に役立てられなければ意味がありません。中学受験対策に取り組む年齢の子どもは、読書や日常の会話を通じて語彙を素晴らしい勢いで増加させ、それをもとに思考力を飛躍的に伸ばしていく時期にあります。しかしながら、だからといって大人の域にはまだまだ遠く及びません。子どもの発想を抜ききれず、大人の言葉で説明されたのではなかなか理解できない子どもがほとんどです。また、発達のカーブは読書生活や会話生活などによって随分変わるものです。

 そこで指導にあたっては、「この学年の、この単元の、この内容を子どもたちが理解するには、どういう投げかけを、どのような言葉でするか」を、的確に判断できる力が求められます。その能力によって、子どもの理解度は大きく違ってきます。また個々の現状を掌握し、その子に適切なアドバイスができることも大変重要になります。

 こういう指導力は、単なる指導技術ではありません。子どもの知的発達過程と年齢の関係を学び、それを実際の指導現場に活かせるよう実地検証してこそ身につくものです。そうしてやがて、「難しいことでも、子どもにわかりやすく教えられる先生」「子ども個々の状況を見抜き、その子にあった指導ができる先生」になったとき、その人は小学生の学習指導の専門家になったと言えるのだと思います。

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