中学受験には、「早熟性」という厄介な要素がつきまといます。
11月 27th, 2008
中学受験での合否は、必ずしも能力差だけで決まるわけではありません。そこに、中学受験の難しさがあります。どういうことかというと、早熟性が高く、問題処理能力の高い子どものほうが断然有利だということです。
中学入試は、優秀な子どもを選別するための試験ですから、出題内容はどうしても学校で勉強する内容よりも難しくなります。出題範囲は小学校課程の枠内と決められていますが、問題の難易度は全く違うのです。基礎からの出題が中心とされる広島の各中学校の入試問題といえども、教科書で扱われているよりははるかに難しいのが現実です。そうなると、どうしても早熟型の子どものほうが問題の理解力、対応力で有利になるのです。
中学受験は発達途上にある12歳の受験ですから、先々のことはともかく、小学校の終わりの時点での入試問題対応力で勝負がつくのだということを、親は踏まえておくべきでしょう。決して子どもの全能力をはかる入試ではないのです。受験生活に入ってから、「まだ受験に対応できる状態にない」と気づいた場合、無理に勉強をさせることをせず、もっと先まで見通してゆっくり子どもの成長を待ってやるほうがよいということもあるのです。