叱らねばならないときにはどうする?
2月 4th, 2009
ほめることの必要性についてふれると、必ずと言ってよいほど「叱ってはいけないの?」という話になります。以前、「叱って勉強をやらせるのはダメ」ということを書きましたが、叱るということ自体は無論必要なことです。ただし、子どもを叱るときに気をつけたいことがあります。それは、子どもが納得する叱り方をするということです。
日本の家庭で気になるのは、わが子に対して感情的に叱ってしまうケースが多い点です。そのことを自覚しているものの、ついやってしまっては悩むおかあさんは少なくありません。次の調査結果を見てください。これは、随分前の資料(1980年代)ですが、今でもそう変わらないと思いますので、参考までにご紹介してみましょう。
叱 り 方 | 日 本 | アメリカ |
---|---|---|
大声でどなる | 33 | 25 |
ぐちをいう。口をきかない。 | 29 | 3 |
静かにいってきかせる | 26 | 2 |
体罰 | 6 | 22 |
約束のとりけし | 6 | 44 |
不明 | ―― | 4 |
日本のおかあさんで一番多いのは、「大声でどなる」ですが、「ぐちをいう。口をきかない」もかなりの割合を示しています。この二つは、おかあさんにとって後味が悪く、おそらくは子育てにおける悩みの原因となっているのではないかと思います。
アメリカとの比較で興味を引くのは、「体罰」は圧倒的にアメリカのほうが多いこと、「静かにいってきかせる」はアメリカでは少数派であるということです。「静かにいってきかせる」おかあさんは、日本には26%もおられます。これは日本のおかあさんの美徳であろうと思います。しかし、日米の比較で何といっても目を引くのは「約束のとりけし」です。アメリカでは何と44%のおかあさんがこの方法を用いています。逆に、日本ではわずか6%ほどしかおられません。
約束のとりけしは、感情的にならずに子どもを反省させる方法として、大いに参考になるように思います。やるべきことをしなかったり、約束を守らなかったりしたなら、当然の報いとして約束は取り消される。これなら後味の悪い思いをしなくてすみますし、子どもも自分の態度ややったことを素直に改めるのではないでしょうか。