「基本的生活習慣の自立」が受験に不可欠なわけ

3月 16th, 2009

 子育てに関する本を読んでいると、「基本的生活習慣の自立」「生活習慣の確立」などの言葉をよく目にします。朝は親に起こされなくても一人で起きる。寝支度を自分でできる。着替えを一人で済ませる。自分の洗濯物は自分でたたむ。学校で必要なものを、前の日までに準備しておく。自分で使うものを自己管理できる。生活空間を整理整頓して快適にする……。おたくではどうでしょうか。

 「生活上のことは親が世話してやるから、勉強だけはちゃんとやりなさい。」など、「生活面の自立より勉強優先」という親御さんもおられるかもしれません。しかし、先々勉学での大成を願うならそれは好ましくありません。理由は当たり前のことですが、自分の身の回りのことも一人でできない子どもが、勉強を自立させられるわけがないからです。そういう子どもは、どんな難関校に進学しようとうまくやっていけません。

 あるとき、私立の中・高一貫校の先生が保護者に向けて、次のようなことをおっしゃっていました。「お子さんが朝寝坊をしても、起こさないでください。それが当たり前になると、自分の寝坊による遅刻まで親のせいにしかねません。本人に恥をかかせ、反省させるべきです」――生活の基本的なことが自立していないと、結局は勉強の自立もできないのだということを改めて痛感させられる話です。

 そういえば、取材などで私学を訪れた際、教室に「基本的生活習慣」への意識を促す掲示を何度も見た記憶があります。学力優秀な生徒さんの集団で、後手を踏まないだけの学力をつけるためには、生活面から自立していないとダメだということなのでしょう。

 子どもが小学生のうちなら、「自分のことは自分で」と親が言って聞かせれば、子どもは素直にそうしようと努力するものです。中学受験にあたっては、生活習慣の自立はもちろんのこと、勉強も自分でやるようし向けるべきではないでしょうか。確かに、小学生の一人勉強は難しい面もありますが、一人でやろうとすることの繰り返しを通じて、子どもは確実に成長していきます。子どもの未熟さを受け入れ、自分でやろうとする姿勢を応援してやれば、そうした親の後押しは必ず報われるものです。

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