塾は、子どもが合格しさえさすればいいの? ~その1~
4月 20th, 2009
当社は「子どもの将来を見据えた学習指導の実践」を理念に掲げています。またそのために、子どもたちが確かな「学習習慣」や「学習方法」を体得できるよう配慮して指導にあたっています。
では、最初からこのような理念に立った学習指導をしていたのかというと、そうではありません。以前、家庭学習研究社が誕生した経緯についてご紹介しましたが、それ以前の何年かは、経営者の坪内は中学生を指導する学習塾を経営していました。実は、学習塾を始めた当初は「通ってくる生徒さんを何人合格に導くか、どれだけの合格率を得られるか」ということに躍起となっていたそうです。
そんな学習指導が改められたのには訳があります。晴れて志望校に合格したはずの生徒さんたちが、勉強の悩みを抱えてつぎつぎに塾にやって来るようになったのがきっかけでした。その悩みとは、「どういうふうに勉強したらいいのか、いまだにわからない」「いつ、何を、どう勉強していいのかわからず、途方に暮れている」「学校の勉強についていけず、成績が低迷している」など、いずれも勉強に行き詰まっているというものでした。
それを知った経営者は、なぜ生徒がこんな事態に陥るのかを考えました。そして、合格優先の詰め込み勉強のせいだと気づきました。生徒が伸びない原因は、学習塾の指導だったのです。間違った方法でいくら合格者を出しても何の価値もありません。ましてや、合格と引き替えに子どもの伸びる芽が摘まれているとしたら、社会的貢献の意味においても意味はなく、指導料をいただくに値しません。
それ以来、経営者は「合格できる学力を身につけること」と、「高校への進学後に勉強で困らないよう、きちんとした学習方法を備えておくこと」の両方を視野に入れた受験指導を追究するようになりました。特に、小学生の学習指導に専念するようになってからは、ますます「将来的視点」にこだわるようになりました。その意味において、家庭学習研究社は「過去の反省に立って設立された学習塾」なのだと言えるかもしれません。
ただし、中学受験では詰め込み勉強や徹底演習型の受験対策は今もなくなる気配はありません。また、そういう勉強で合格し、その後も優秀な成績を残しておられる生徒さんはおられます。このことをどう受け止めるべきなのでしょうか。これについては次回お伝えします。