算数と国語では、好きになる理由が対照的?

5月 21st, 2009

 「子どもを勉強好きにする」と言っても、算数と国語とではやることが全然違いますから、好きにする方法や、好きになる原因は違うものです。どちらも好きになるとは限りません。では、算数好きか、国語好きかを決定するのは、どういう点なのでしょうか。

 算数が好きな子どもは、「必ずはっきりとした答えがあるから」「どういうやり方をしても、結局は一つの答えにたどり着くから」と言います。つまり、自分の答えが正解か否かが子どもにもはっきりとわかるので、成果を実感し易いということなのでしょう。

 一方、国語が好きな子どもはそれと対照的なことを言います。「記述問題などは、正解と同じことを書いていなくてもマルがもらえるから」「答えが一つでなく、ポイントさえ押さえていればどんな書き方をしていても正解になるから」などと言います。

 さて、これを読んでおられる方のお子さんはどうでしょうか。これまで、お子さんがどんな遊びや勉強を体験してきたかを思い起こせば、合点がいくかもしれませんね。

 幼いころ、学校や公園の砂場で何かをこさえては壊すことを、飽くことなく延々と繰り返していませんでしたか? レゴや積み木など、形のあるもので何かを組み立てたりすることに熱中していませんでしたか? 何かの数を数えたり、順番を数えたりすることを好んだり、親を相手に数遊びをしていつまでもやめようとせず、親を困らせたりしませんでしたか? 言うまでもなく、こういうお子さんは算数好きになりそうですね。

 幼い頃からお伽話を聞いたり、本を読み聞かせてもらったりするのが大好きで、いまだに読み聞かせをせがんだりしませんか? 早くから文字に興味をもち、おかあさんにかわいい手紙を書いてくれたりしませんでしたか? 絵本を読むのが大好きで、直にかなりしっかりとした本を一人で楽しむようになりませんでしたか? 勉強をしていても、いつの間にか本を手にして読みふけったりしていませんか? こういうお子さんは国語好きになりそうですね。

 よく、「うちの子は文系か理系か」というような話題に花が咲いているのを耳にします。そして、「親からの遺伝が大きく影響する」という見解を示す人が多いようです。筆者の指導経験から言うと、遺伝よりも「どういう体験を重ねてきたか」「どんな環境で育ったか」のほうが、子どもの傾向を決定づけているように思います。親が文系だから子どもが国語好きになると言うより、親が本読みだから、子どももまねてそうなったのではないでしょうか。算数好きの子どもは、親も算数・数学が好きで、そういう遊びを飽きもせず教えてやったり、道具を買い与えたりしたからではないでしょうか。

 4年生ぐらいになると、教科の好き嫌い、得意不得意もかなりはっきりとしてきます。それにはそれなりの理由があったのです。もし何かの教科が嫌いになってしまったら、その教科の勉強を押しつけるよりも、それが好きになるような体験から少しずつ巻き直すのも有効な方法かもしれませんね。 

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