第1回「おかあさん塾」 ご報告
9月 28th, 2009
このブログでもお知らせした「おかあさん塾」は、9月25日に五日市校にて第1回目を実施しました。会場には、30名以上のおかあさんがたにお集まりいただきました。五日市校の保護者のみならず、弊社の他校舎からも、さらには一般のおかあさんがたにも参加いただきました。
この催しは、「お預かりしたお子さんを塾で鍛えて合格に導く」という従来型の進学塾の役割認識を一新し、家庭と塾とが連携して、「受験合格までのプロセスを“学力”のみならず“人間力”育成の場としていこう!」という趣旨に基づいて企画したものです。
今や、「学歴を得さえすれば子どもの将来は安泰」という時代ではありません。学力が必要なのは当然としても、予期せぬ状況を打開したり、問題の在処を自分で見つけ出して対処したり、先を見通して行動したりするなど、総合的な人間力を身につけることが、社会に出て自分を通用させるうえで必須条件となっています。中学受験をめざした学習生活は、うまくすればそういう人間力育成の場にできるのだという弊社の考えを、おかあさんがたにお伝えしました。
さて、子育てにあたっておられるおかあさんがたに、何はさておいても必要なもの。それは、「子どもを立派に育てるぞ!」という決意、覚悟、意気込みです。
そこで、催しの始めに元気を出していただくための話をしました。子どもを立派に育てるために、親として精一杯努力する。それは、他のいかなる仕事よりも価値のある仕事です。そのことをお話ししつつ、子育てという仕事の重要性を捉え直し、新たな一歩を踏み出していただこうと、筆者は少しばかりエキセントリックな試みをしてみました。
と言っても、たいしたことではありません。おかあさんがたに呼びかけ、「親バカ宣言」を全員で声高らかに唱和していただきました。そのときのセリフは、内緒ということにさせてください。というのも、ここでご紹介するには少し気の引ける言葉だったからです。「私が、まず----と言いますから、おかあさんがたは----という言葉で応じてください」とお伝えすると、始めは「えーっ!?」と、驚き後込みをされたご様子でしたが、いざ声を出してみたら存外に元気が出てきたのか、二度目にはほとんどのおかあさんが大きな声で唱和してくださいました。これで、会場は笑顔で埋め尽くされました。
また、この催しは「参加型」にしたいという意図もあり、おかあさん同士で話し合う場面を折々に設けました(そのために少なめの定員設定にしました)。これも、始めは後込みをされる方が多かったのですが、いざ始めると、教室がおかあさんがたのにぎやかな話し声や笑顔で埋め尽くされ、いちばん活気のある時間となりました。時間を告げると、サッと話し手と聞き手がチェンジするところなど、「さすが大人」と感心させられました。「ほら、話をしたほうが楽しいでしょう?」と申し上げると、みなさんにっこりとうなずいておられました。
さて、子どもの学力形成と、人間力育成の両面から子どもを見る。それにはどういう視点が必要でしょうか。何はさておいても認識すべきは、小学生までの子どもは、おかあさんのすること話すことを見たり聞いたりして多くのものごとを吸収しているという事実です。
そのことは、子どもの行動を改善するには、おかあさんが教えたり、指示したり、命令したりする(これが大変なストレスになる)よりも、おかあさん自身が自分の行動様式を変えることのほうが子どもの変化を引き出しやすいということを教えてくれます。第1回目のタイトルを「おかあさんが変われば子どもも変わる」としたのは、このような理由あってのことです。
また、勉強は大人にやらされてしたのでは意味がありません。そこで、どうしたら自発的な学習姿勢が身につくかを考えていく必要があります。そこで、「しつけとはどういうものか」の核心について、ともに考えていただきました。しつけとは、子どもをコントロールすることではありません。子どもが自分で考え、よりよい行動を選択できるよう手助けすることです。親の立場に即して言うなら、「親の期待を受け止め、自ら親が望むような行動を選択するようさりげなく導く」ことです。親の価値観を継承させることも、親のしつけの一環として重要なことだと思います。
最後に、しつけがうまくいかないと悩んでいる親は、どこに問題があるかについてともに考えていただきました。そして、今の自分の子育てについて振り返っていただき、よいところ、いけないところを確認していただき、いけないところについては、次回までに改善を試みていただくという宿題にしました。
終了時間が来たところで、「宿題があります」とお話しすると、「えーっ!?」という悲鳴のような声が教室に響き渡りました。小・中学生時代を懐かしく思い出されたのかもしれませんね。
第1回目はとりあえず楽しく盛り上がる会になりました。第2回、第3回と、徐々に内容の密度を上げていきます。