子どもの“学ぶ力”をいかに育てるか 弊社イベント報告1
11月 22nd, 2010
11月上旬より、冬期講座の募集、次年度からの会員募集が始まりました。そこで、弊社の学習指導の方針や塾としての特性を知っていただこうと、11月15日、17日、18日の3日間、広島、東広島、呉の3会場で催しを開催いたしました。
この催しのタイトルは「中学受験は子どもの“学ぶ力”を育てる場」で、家庭学習研究社の学習指導が、「どのような考えのもとで、どのように行われているか」をご説明しました。学ぶ力という言葉に括りを入れているように、弊社の学習指導が学ぶ力の育成に力を入れていることを様々な角度から検証しご説明しました。
学ぶ力とは、学んだ結果つけた学力(テスト学力など)ではなく、学習を推進していく力のことです。豊かではあるが行き詰まった今日の社会は、子どもを学びに向かわせる力にいささか欠けています。一流とされる大学を出ても、人生の成功者になれるとは限らない今日において、「将来よい大学に入って、よい職業について~」などと子どもにハッパをかけても、もはや説得力がなくなっています。
とは言え、学ぶことの必要性はこれからも高まりこそそれ、減退するなどということはあり得ません。より豊かで便利な社会を築くうえで、学問は必要不可欠のものです。それなのに、「子どもの学びからの逃避」「学力低下」などの問題が取り沙汰されています。そして、いまだに解決の兆しすら見えていません。
そんな今日にあって、「わが子に高いレベルでの学問を」と願う親が重要視すべきものは何か。それが学ぶ力です。一般に学力というと、知識や技能など、テストで測れる要素に目を奪われがちです。そして、多くの人間は学力を高めていくために欠かせない“学ぶ力”の大切さを見落としていることに気づきません。しかし、この学ぶ力こそ、子どもたちが自ら学力を高めていくために必要なものです。
なぜ“学ぶ力”は見過ごされてしまうのでしょう。それは、先ほどあげた知識・技能などのような、テストで測れる学力さえ身につければ、学歴を得ることが可能だからではないかと思います。
ところで、「“学ぶ力”と言われても、今ひとつよくピンとこない」という人もおられると思います。そこで、学ぶ力がどういうものかについて簡単にご説明しましょう。下表は、心理学者の市川伸一先生(東京大学大学院教授)の著作から引用したものです。
これを御覧になれば、学ぶ力がどういうものか、ある程度おわかりいただけるでしょう。子どもが自ら学ぼうとするためには、学習意欲や好奇心がなければなりません。また、自分で学んでいくためには学習の計画力が求められます。どういうふうに学べばいいのかという、学習方法も身についていなければなりません。
さらには、学習対象に没頭する集中力も必要です。また、いったん考え始めたら、思考を粘り強く持続させる力もなければなりません。
もう一つ、コミュニケーション力。これは、学ぶ力とどのような関係があるのでしょう。市川先生は、この学ぶ力としてのコミュニケーション力の例として次のようなことをあげておられました。
- ・先生が授業で話していることを理解できる力
- ・どこがわからないかを自らハッキリ表現して先生に質問できる力
- ・友だちと教えあったり学びあったりするときのコミュニケーション
とにかくテストでよい点をとるとか、入試に受かることばかりに目を向けると、「コミュニケーション力なんて、どうでもよい」などということになりかねません。しかし、今日の子どもたちに最も足りないものの一つが、このコミュニケーション力です。その結果、大学を不登校になったり、社会に出てから自分を通用させることができずに苦労する人間が増えているそうです。
弊社では、中学受験のプロセスを通じて、前述のような学ぶ力の育成に取り組んでいます。受かるまでしか見ない受験対策では、この学ぶ力を育ちません。中学受験後のさらなる学力伸張を見通し、それを可能にする態勢を築きながら入試突破を果たす。そういう学習指導をいかにして実践しているかを、今回の催しでご説明しました。
もし、この催しの内容について詳しくお知りになりたいかたがおられたなら、弊社事務局までお電話で資料をご請求ください。折り返し、催しで配布した冊子をお送りいたします。