幼稚化する子どもたちへの指導方法
1月 17th, 2011
前回は幼稚化し、勉強への意義が見いだせない子どもが増えているというお話をさせていただきました。では、幼稚化する子どもたちに受験で結果をもたらせるには、どうしたらよいのでしょうか。「男子は、少々叱っても効果はない。無理やり押さえつけて勉強させなければダメだ」と言う人もいます。実際、そういう要請を受け、毎日のように夜遅くまで猛烈に勉強させる塾がいくつもあり、繁盛していると聞きます。
一方、私たち家庭学習研究社はどうなのでしょう。何度も書いているように、そういうやり方は、受験での合格点をとれる子どもにはできても、それと引き替えに子どもから勉強の主体性を奪ってしまう危険性が高いと言わざるを得ません。長い人生というスパンから見た場合、決して子どものためにはならないというのが私たちの考えです。
やらされ勉強が染みついた子どもが、主体性をもって勉学に励んだり、リーダーシップを発揮したり、創造性ある仕事をしたりするように成長できるでしょうか。人間は育ったように、経験したようにしかなりません。無論、そういう厳しい訓練型の指導を歓迎し、それを余裕で乗り越えるようなお子さんもいるかもしれません。しかし、大多数の子どもは、勉強に対する自律性を失う危険性が高いのではないでしょうか。
家庭学習研究社では、どの校舎のどの学年においても、無理やりやらせる指導は行っていません。「甘い」というような指摘を聞いたことがありますが、子どもをダメにしては元も子もありません。ですから、子どもを勉強面はもとより、生活面においても自立させること、勉強の面白みや醍醐味を教えること、勉強の手順を繰り返し教えること、読書を奨励することなどを通して、子どもの行動様式、生活様式を変えていき、ものの考え方や勉強への取り組み方をレベルアップさせながら、子どもが主役の受験生活を実現し、子ども自らの力で受験を乗り越えさせることが望ましいと考えています。
そういう指導で、毎年多数の合格者を輩出しているのは、塾の力というより、塾の方針に呼応した子育てを保護者の方々がしてくださっているからだと思います。押さえつけて学ばせる方法では、真のエリートは育ちません。大人がもどかしさやじれったさを厭わず、子どもの自律性を尊重するとともに、自ら学ぶ姿勢を育ててこそ、持ち前の資質は開花できるのではないでしょうか。
よって家庭学習研究社は今の方針を変えることはありません。子どもの大成を願い、子どもの資質の開花に道をつけながら受験を乗り切るよう応援するのが大人の仕事だと思っています。こうした考えを共有し、ご賛同いただけるご家庭のお子さんを預からせていただきたく思います。