どうして勉強しなきゃいけないの?

4月 11th, 2011

 弊社は中学受験塾です。当然、通っている子どもたちは、親に「優秀になってもらいたい」と期待されています。

 しかしながら、まだ子どもですから「どうして勉強しなければならないのか」「なぜ自分に勉強が必要なのか」がわかっていないケースが多いものです。6年生になり、行きたい学校が定まってくると、子どもの様子も大概変わってきます。しかし、4・5年生のうちは、なかなか勉強に向かう姿勢が親の満足するレベルには到達していないものです。それが親のストレスにつながっていることも少なくありません。

 「どうしてちゃんとやれないのか」「もっとしっかり取り組んでほしい」など、多くの親はイライラを募らせながら、「どうしたらもっとがんばるようになるだろうか」と思案しています。

 「わが子の勉強の必要性をしっかりと理解してほしい」と思うものの、それを伝えるよい手段が見つからず、困っている人はいませんか?

 どうして勉強しなきゃいけないのでしょう。勉強の必要性を子どもにどう言えばわかってもらえるでしょうか。それがわかれば、親のストレスは随分軽減されるでしょうに・・・・・・。

 「勉強しなければならない理由を子どもにどう説明したらよいか」――これは、だいぶ前からおかあさんがたに集まっていただく催しのテーマにしてみたいと考えていたことです。しかしながら、実は筆者にも最高の答えは見出せず、いまだに実現していません。

 あるとき、公立中学校の校長先生のブログを拝見していたら、ある日の朝礼のことを記事にされていました。その朝礼での言葉が、まさに「勉強はなぜしなければならないのか」でした。かいつまんでご紹介してみましょう。

1.脳細胞を活性化する

 脳細胞は140億個あると言われるが、多くの人はその数%しか使っていません。頭がいいかどうかは、この脳細胞をどれだけ使っているかで決まってきます。脳細胞は、使えば使っただけ働きがよくなります。だから、子どもの時期にどれだけ鍛えたかが一生を左右します。

2.若いときには勉強という辛いことに立ち向かうべき

 家でTVを見る1時間と、机に向かう1時間と、どちらが辛いですか? 答えは決まっていますね。敢えて辛いことに自分を追い込んでいく。今のみなさんにはこういう体験が必要です。自分が鍛えられ、育てられます。また、勉強は本来やりがいがあり価値のあるものです。今までできないことができるようになるとうれしいですね。こういう喜びは、極めて価値の高い喜びです。

3.将来の可能性を広げる

 将来してみたいこと、就きたい職業がありますか? 夢の実現には血のにじむ努力が必要です。イチローみたいな野球選手になりたくても実現する可能性は低いものです。将来の職業を考えると、多くの人にとってペーパーテストが大きなポイントになります。テストで点がとれるほど、選べる大学の数が増えます。なれる職業の数が増えます。

 どうでしょう。参考になる面もありますが、小学生にはまだわかりにくいかもしれません。ある本を読んでいたら、「何のために勉強するのか。それは幸せになるためだ」というのがありました。その説明を読んでいたら、思春期を迎えた中学生以上の子どもにはある程度説得力があるようなことが書いてありました。以後、別の人の著作にも「人間は、幸せになるために勉強するのだ」という記述がありました。

 ですが、小学生にはやや抽象的でわかりにくいのは否めません。そこで、自分はわが子にどう言ったかを振り返ってみました。

 いささか断片的にではありますが、少し思い出しました。中学受験のための勉強をさせているときです。「人間は、何か仕事をしないと生きて行かれない。でも、仕事なら何でもいいというわけにはいかないよな。どんな仕事をしたいか決めたとき、その実力がないとその仕事には就けない。勉強をしておけば、それだけなれるものが多いんだよ」というようなことを言ったと思います。前出の校長先生の言葉の三つ目に近いでしょうか。

 中学受験をめざす気持ちを高めるために、こんなことも言ったように思います。「人間は、一人じゃがんばれない。勉強もそうだ。がんばる人が周りにいたら刺激をもらってがんばれる。だから、回りにがんばる人がたくさんいる学校をみんなめざすんだよ」

 すみません。いずれもあまり説得力がないですね。ともあれ、親が「なぜ勉強が必要か」をわが子に語って聞かせることはとても大切なことだと思います。感情的に叱ってやらせるのではなく、冷静に熱意をもって語って聞かせれば、子どもはいつの間にか親の考えを自分のものとして受け入れているものです。是非あきらめずに、今のうちに親の考えを伝えてあげてください。

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