家庭勉強の自立を応援しよう! ~第1回おかあさんの勉強会~
6月 6th, 2011
受験生をもつと、親には心配事が増えるものです。とりわけ中学受験生の親は大変で、毎日イライラし通しになるケースもあるようです。受験生とは言えまだ小学生。受験することの自覚すら十分でなく、取り組みが中途半端になりがちだから当然です。
「おかあさんの勉強会」は、受験生家庭のおかあさんがたにお集まりいただき、テーマに基づいて話し合いをしていただこうという趣旨で企画した催しです。同じ立場にある者は、互いの苦労がわかります。また、他の人がやっていることは、たちまち自らの参考にできます。
さて、第1回の勉強会が全校舎で終了しましたので、その様子をご紹介してみたいと思います。どの校舎からも、「おかあさんがたが楽しく話をされており、よかったと思う」という報告が寄せられました。これをお読みになり、「次は参加してみたい」と思われた会員のかたは、お子さんの通学校にご連絡ください。2回目から、あるいは最終回のみの参加も大歓迎です(一部の校舎では定員に達し、締め切っています)。
第1回目のテーマは表題の通りで、子どもの家庭勉強をいかにして自立させるかを、おかあさんがたに話し合っていただきました。「勉強の自立」は、弊社の掲げる指導理念の根幹をなすものです。そして、おかあさんがたがもっとも苦労してがんばっておられることです。何を話し合っていただいたら成果に繋がるかを考慮しながら、何度も内容を練り直しました。
出だしはどうしても雰囲気が堅くなりがちです。そこで、ワークショップの技法の一つ、「アイスブレーキング」から入りました。その名の通り、打ち解けるためにするもので、ゲームのようなものだと思ってください。参加者をいくつかのグループに分け、グループごとに楽しんでいただきました(以後のワークは、すべてこのグループを単位にしました)。これでみなさん笑顔になり、気軽に話せる雰囲気ができあがりました。
それから、いよいよ本題です。まず、家庭勉強は学校や塾の勉強の延長的な役割だけでなく、子どもの学ぶ姿勢を築く重要なものであるということをお話ししました。それから、それぞれのお子さんの状態について話し合っていただきました。
すでに手応えを感じておられるおかあさんには、うまく行き始めた理由をお話しいただき、みなさんの参考にしてもらいました。「うまくいっていない」と嘆いておられるおかあさんには、立て直す方法についてみなさんからアドバイスをいただきました。
それから、「1.現状に満足」「2.まずまず満足」「3.不満」のいずれかについて、全員に挙手をしていただきました。全体の8割以上のかたが2とお答えになりました。
実は、子どもたちにも「家庭勉強の現状」をどのように自己評価しているかについて、アンケートを採っていました。そこで、結果をおかあさんがたにご紹介しました。全部の会員生からではありませんが、400名以上の4・5年生から聞いた結果です。「1.計画通りやっている」「2.だいたいやっている」「3.できないことがかなりある」のうち、1が約37%、2が約54%、3が約9%でした。「お子さんからも、今の状態をどう思っているか確かめています」と司会者が言ったら、自分の子に聞いたと思われたのか、どっと反応がありました。
これは予想されたことではありますが、家庭勉強の取り組み具合については、おかあさんがたの見方のほうが厳しめで、子どものほうがやや楽観的な見方をしているように思いました。
勉強を自立に向かわせるには、まずもって習慣化を図ることが大切です。習慣になればやるのが当たり前になり、勉強を苦にする気持ちはなくなります。問題は、どうすればやるのを当たり前の状態にできるかです。そこで、次のワークでは、それをテーマにみなさんで話し合ってもらいました。
やるのを当たり前にできないとすれば、その原因は何でしょう。当たり前のようにやるようになった家庭もあります。どこにポイントがあるのでしょうか。それをグループで話し合っていただき、まとまった見解を発表していただきました。たくさんの意見や提案が出たので、それを板書していくと、多くのおかあさんが熱心にメモしておられました。
ここまでで、たいていの会場は時間になったようでした。少しの時間延長をお許しいただき、最後に家庭学習研究社からおかあさんがたにアドバイスをさせていただきました。アドバイスの内容は、生活習慣の見直しや、おかあさんからの激励のコツ、子どもの自発性を引き出す働きかけかたなどで、特別なものではありません。
自立した勉強ができるようになるには、子ども自身が精神的にも自立を果たす必要があります。それには、叱ることよりも、子どものプライドが頭をもたげ、自分から何でもやることにこだわる人間になるような接し方をするほうがうまく行くものです。結局、親子が意志疎通を図り、親の期待は何かをしっかりと伝え、子どものやることを信じてやり、ちゃんとやっている様子を喜んでやる。そういう働きかけを常日頃することです。
そういう流れを上手につくっておられるご家庭は、万事うまくいっているものです。特別な方法などありません。そのことに、多くのおかあさんがたが気づかれたようでした。
おかあさんがたがすっかり仲良しになり、終了後も長い時間歓談をされている校舎もあったようです。おかあさん同士、支え合う関係ができる。それも、こうした双方向性のある催しのよさかもしれません。