夏の講座から通学されるご家庭へ
7月 16th, 2012
もうすぐ夏休みの講座が始まります。まだお申し込みを受け付けていますので、人数は確定していませんが、4年生の受講生は今日現在で400名弱です。この夏休みから中学受験対策の学習を始めるお子さんもかなりおられるようです。
そこで、今回は夏休みからお子さんが受験勉強を始められるご家庭に向けて、受験勉強のスタートにあたっての配慮事項についてお伝えしようと思います。
弊社は、中学受験の勉強を通じて「自立した学びの姿勢をもった子どもの育成」をめざしています。無論、進学塾ですから、志望校合格に向けた学習指導をしていくわけですが、大人の指示や命令で勉強して受かるのではなく、小学生の年齢なりに自立した勉強ができるようになって合格することが、中学進学後の学力形成においてとても重要なことだと考えています。自立勉強に向けて成長できたなら、入試の結果がどうであろうと先々のさらなる成長も見込めます。
この夏休みから受験勉強をスタートするお子さんにも、勉強の自立に向けた流れが築けるよう指導していきます。はじめから全てのことを自分で判断してやれるお子さんはいません。おとうさんやおかあさんにすれば、どうすれば自立した勉強ができるようになるのか、まだピンと来ない方もおられると思います。そこで今回は、子どもが自分で学ぼうとする姿勢はどのようにして生まれるのかをお伝えしようと思います。
子どもの学習の自立を支えるのは、何と言っても「もっと学びたい!」という意欲です。「行動の自発性は、意欲によって生まれる」ということについては、どなたも異論がないことでしょう。
では、小学生の学習意欲はどうやって湧いてくるのでしょうか。学習意欲を支える要素は様々ですが、最も代表的なものは、親に期待されること、ほめられることであろうと思います。
無論、子どもの学習意欲は学習のプロセスから生まれてくるものです。その点、学習塾が子どもの学習意欲の向上に向けて取り組むのは当たり前のことで、私たちが必死で取り組まなければならない仕事です。
つぎは、大学の先生による調査の結果をご紹介したものです。
子どもが学ぶ理由 項目 筑波大学:桜井茂男先生
<興味的理由> 1.おもしろいから 2.いろいろなことがわかるから 3.楽しいから 4.問題が解けるとうれしいから 5.新しいことを知りたいから <希望的理由> 1.中学や高校に行きたいから 2.おとなになって役に立つから 3.よい中学や高校に入りたいから 4.りっぱな人になりたいから 5.よい会社に勤めたいから 6.えらい人になりたいから |
<成績的理由> 1.よい成績をとりたいから 2.テストでよい点をとりたいから 3.先生に当てられても答えられるようになりたいから 4.悪い成績をとりたくないから <対人的理由> 1.家の人に言われるから 2.家の人にほめられたいから 3.家の人に叱られたくないから 4.きょうだいに負けたくないから 5.自慢したいから 6.先生にほめられたいから 7.先生に叱られたくないから |
これを見ると、上記の4項目のいずれにも学習塾が関わっています。これらのうち、私たちが授業実践において最も力を入れているのは<興味的理由>の要素です。前途ある小学生の学習指導には、この要素がいちばん重要だと考えるからです。
通学が始まったら、お子さんが授業を楽しく受けているかどうかを確かめてください。もちろん勉強ですから、すぐに「楽しい!」という反応はないかも知れません。しかし、どの教科にも子どもたちの知的好奇心を刺激する楽しい要素は必ずあります。指導担当者はそのことを踏まえ、子どもたちの興味を引き出すような授業を実践していきます。何日か経ったなら、きっと塾での勉強を楽しいと受け止めるようになると思います。
勉強の楽しさや醍醐味にふれる経験をすることで、子どもたちは徐々に勉強に対して前向きな姿勢をもち始めます。そこから、自立勉強の目が育っていきます。
ここで、先ほどの資料を再度ご覧いただきたいと思います。<対人的理由>のところの1と2と3は、全て親がからんでいます。日々のがんばりを親が見守ってくれ、明るく励ましてくれる。そのことが子どもにとって大変重要なことなのです。ぜひ、「塾でがんばってみなさい。きっと楽しくやれると思うよ」と、激励してあげてください。そして、途中も折にふれて声かけをしてあげてください。
保護者におかれては、成果としてのテスト成績も気になることでしょうが、まずもって大切なことはお子さんが意欲をもって学ぶ姿勢を築くことです。それをうまくクリアしたなら、受験勉強は少しずつ確実に軌道に乗っていきます。夏の講座が始まったら、当面はお子さんが塾に楽しく通えるようになるかどうかを見守っていただくようお願いいたします。