夏の講座は飛躍のチャンス

8月 6th, 2012

 早いもので、夏休みの講座は後半を迎えています。毎年のことですが、夏の間にぐんぐん力を伸ばすお子さんがいます。

 夏休みに1ランク学力を上げると、秋からの学習においてもそのまま勢いが持続するものです。秋以降も好成績を続ける例は、枚挙にいとまがありません。

 これは筆者の記憶に残る6年生のお子さんの例ですが、夏休みまでは平均点をとるのに苦労していたのが、夏の講座の最終日のテストで成績が急上昇し、秋以降はトップ集団に肉薄するほどの成績をコンスタントにあげるようになった男の子がいました。そして入試では、受験校の全てに合格しました。

 そう、夏休みは受験生として1ランク上にあがれる絶好のチャンスなのです。理由は、塾での授業と家庭での一人勉強が毎日続くため、学力を伸ばしていくための流れが短期間で形成されるからであろうと思います。

 たとえば、毎日の「授業 → 家庭学習」の反復効果から、勉強にリズムが生まれてくる、勉強に連続性が生まれる、勉強のコツがわかってくるなど、子どもたちが見る見る変わるようなケースがあります。これは、夏の講座に参加したすべてのお子さんに期待できる成果です。ぜひがんばってほしいですね。

 普段の子どもたちの生活は、学校への通学を軸に成り立っています。当然、学校生活が優先されなければなりません。そこで、通常の講座では「長いスパンでの学力形成」という考えに立ち、基礎学力の定着、学習の習慣づけや勉強の自立を視野に入れた指導を行っています。

 一方の夏期講習は、通常の講座と比較するなら「短期集中型」です。学習の形態自体は変わらないのですが、夏休みには学校がありませんから毎日の通学が可能です。この期間だけは受験勉強を中心とした生活を送ることができます。それが短期間での成果につながるのです。

 夏の講座の授業は、午前中、もしくは午後に行っています。授業をしているとよくわかりますが、通常の夕方から夜にかけての授業よりも、子どもたちが生き生きとした表情を浮かべています。指導をする側も、子どもたちの食いつきがよいので、テンポよく授業を進めることができます。また、質問も活発になります。成果が違ってくるのは当然です。

 その日の授業で学んだことを、家に帰ってから復習する。そして、さらにつぎの日の授業に向けて下準備をしておく。こうした学習が家庭で連続的に行われると、勉強にリズムが生まれます。授業の記憶が十分に残っているうちに家庭でやり直しをすると、同じことをしても理解の深まりが違ってきます。

 とは言え、年間で最も暑さの厳しい時期の学習です。室内はエアコンが利いていても、一旦外にでるとぐったりするような暑さです。移動時間にグロッキーになりかねないお子さんもいることでしょう。ですから、夏の講座期間中の家庭学習は、長時間にならないよう配慮するとともに、学習効率のうえで望ましい時間帯にするのが望ましいと言えるでしょう。

 たとえば、夕方のしのぎやすい時間帯や、夕食後の1~2時間に集中して勉強するほうが成果もあがりやすいものです。無理にがんばって遅くまで勉強しても、翌日に悪影響を及ぼすことになり、却って逆効果になりがちです。お子さんの現在の状態はいかがでしょう。もしも問題があるようなら、親子で話し合い、修正することも必要でしょう。

 勉強の場所ですが、なるべくリビングや食卓など、親から見える場所がよいと思います。これは監視のためではありません。定期的に声をかけたり、慰労したり、励ましたりするのに有効だからです。お子さんにとってもそのほうが励みになるでしょう。

 親が期待してくれ、自分のがんばりを見届けてくれる。それがうれしくて、さらに発憤する。そういう年齢はもう少しで終わります。今、まさに親にとって必要な応援ではないでしょうか。勉強の内容を教える必要はありません。

 今、オリンピックのテレビ中継が目白押しで、おとうさんも夜のゴールデンアワーにはテレビをつけたいところでしょう。ですが今年は少し我慢をしていただき、お子さんにとって最適の学習空間ができあがるようご協力をお願いいたします。

 最後に余談です。筆者は、毎日広島市北部からバスで通勤しています。夏の講座の期間中は、ちょうど三篠校で夏期講座を受講する4・5年生のお子さんが、同じバスにたくさん乗車してきます。多いときは、10数名のお子さんが三篠1丁目のバス停で降りるのを目にしました。

 感心するのは、誰一人騒ぐことがなく、バスのなかで礼儀正しく振る舞っていることです。ゲームや携帯で遊んでいるお子さんを、まだ一度も目撃していません。きっと、家庭でしっかりとしたしつけや教育を受けているお子さんたちなのでしょう。

 家庭学習研究社の夏の講座には、千数百名(低学年を含めると、約千7百名)の小学生が通っています。立派な家庭で育てられているお子さんを、これだけの数お預かりしていることの責任を、改めて実感する次第です。夏の講座が、お子さんのさらなる成長を引き出す舞台となるよう、精一杯指導にあたらせていただきます。

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