2013年度卒業生の進路選択
2月 18th, 2013
入試は日程が重ならない限り、何校でも受けることが可能です。なかには、5、6校受けてすべて合格を得る受験生もいます。しかしながら体は一つしかありません。受かったあと、どの中学校に進学すべきか、うれしい悩みを抱えるお子さんも毎年たくさんいます。
受かった学校が1校だけだったお子さんは、ちょっぴり残念な気持ちでおられるかもしれません。「もっとがんばればよかった」と、後悔しておられるかもしれません。しかし、今述べたように進路は一つしか選べません。1校と縁ができたということは、その学校が現段階でいちばん相性がよい学校だということではないでしょうか。自分を選んでくれた学校で、伸び伸びとがんばってほしいですね。また、そういう気持ちで進学したお子さんが、進学後も順調に成長しているように思います。
さて、弊社の今年の卒業生の進路選択の状況がおおよそ把握できましたのでご報告します。まだ全部の報告書が家庭から届いていませんので、正確な数字でないことをお断りしておきます。これから受験されるご家庭の参考になれば幸いです。
家庭学習研究社卒業生の進路選択状況 ※数字は人数
中学校 |
募集定員 |
会員合格者 |
弊社会員進学者 |
広島学院 修道 広島城北 ノートルダム清心 広島女学院 安田女子 広島なぎさ 近大附属東広島 広島大学附属 広島県立広島 |
184 276 220 180 220 240 200 140 120 160 |
58 143 143 67 167 63 115(男79・女36) 88(男45・女43) 41(男27・女14) 40(男8・女32) |
50 87 42 57 80 34 39(男19・女20) 16(男5・女11) 18(男8・女10) 28(男7・女21) |
※広大附となぎさの定員は、附属の小学校からの進学者を含みます。
※上記は2月18日現在の推定値です。確定人数ではありません。
※進学者が10名未満の中学校は割愛させていただきました。
私学で合格者の入学率が高いのは、やはり最難関とされる広島学院とノートルダム清心です。両校とも、今年は昨年よりも選択率が上がっています。広島学院に受かり、別の中学校を選ぶケースがいくらかありますが、ほとんどが広島大学附属か修道です(今年は附属4名、修道3名、県立広島が1名)。
今年の広島学院中入試では、合格者の入学率が大変高く、どうやら補欠からの繰り上がり入学はほとんどなかった模様です。弊社からは一人もいませんでした。補欠からの繰り上がりを今か今かと待っておられた家庭もかなりあったようです。ほんとうに残念な事態になりました。今年は合格者の歩留まりが大変高かったからでしょうか。どの学習塾も、同校への合格者数が伸びていないようです。
ノートルダム清心については、今年は例年よりも弊社からの合格者が少ない結果となりました。その一方、弊社からの清心合格者の入学率は例年よりも高かったようです。
広島大学附属は、相変わらず女子に人気が高く、他校との重複合格の場合にも進学先に選ばれる率が高いのが特徴です。以前書いたように、学校もそれを見越して合格者数を男子100名、女子50名としています。ですから、女子の場合、いちばん入りにくい学校と言えるでしょう。附属小からの内部受験生は別枠で、外部受験生で合格できるのは僅か50名です。それで女子の定員60名がまかなわれるのですから大変な競争です。外部受験生の場合、ちょっとしたミス一つも命取りになりかねません。弊社でトップ層にいた女子受験生でも、結果はまちまちといった具合です。なお、同校を合格して他校を選ぶ場合の進学先は、ほとんどが清心です。男子のほうは、同校に合格して他校を選ばれる場合、そのほとんどは広島学院か修道です。
県立広島は広島市から離れた東広島市にあるため、弊社では圧倒的に東広島校の受験生に人気があります。しかし、同校の評判がよいのと、段々とその存在が知られるようになったことを反映してか、市内中心部から東地区の受験生が増えています。また、実際に進学先に選ばれるようになっています。今年は、広島市域から6名、呉市から1名が入学する模様です。
なお、県立広島は公立であるため、学科試験はありません。かわりに適性検査という呼称で教科をまたいだ論述課題が出されています。しかしながら、課題が年々工夫され、主要教科の基礎学力が不十分な受験生はほとんど受からなくなっています。弊社では、「基礎力養成期」までは一般の入試と全く同じ指導をしていき、6年生の秋から「県立中対策」の指導を希望者に行っています。
ご存知のかたもおられるでしょうが、ここ数年県立広島と修道の入試日程が重なっています。弊社の男子受験生の大半は修道を受験校に選んでいますので、合格者も進学者も女子に偏っています。
余談ですが、共学校は女子受験生に人気があります(共学各校の合格者の歩留まりを見ればおわかりいただけるでしょう)。しかし、男子のほうは少し状況が異なり、「男ばかりのほうがいい」というお子さんが少なくありません。
なぜでしょうか。精神年齢の男女差が大きいことも影響しているかもしれません。普段から、学校でも女子には何かと押され気味であり、「男だけのほうが気楽だ」というようなことを言う男子がかなりいます。また、広島学院や修道の伝統や実績を評価する保護者も多いことや、私立男子校の人的ネットワークの魅力も親を動かすのだろうと思います。
何かと女子に圧倒されがちな男子ですが、思春期が訪れる中2~中3頃から急速に大人びてきます。この頃からやっと、女子から見て「頼もしい」と思えるような男の子になるようですね。
共学といえば、今年はなぎさ中を受ける受験生が大幅に減りました。これは、ノートルダム清心と受験日が重なり、清心を視野に入れている受験生のほとんどがそちらに回ったためと思われます。こうしたことも原因で、弊社からのなぎさ中合格者は大幅に数を減らしました。
弊社の校舎は、西区に2校、佐伯区に1校あり、なぎさ中への通学を考える家庭がかなりあります。同校へどうしても進学したい女子受験生にとっては幸いしたかもしれません。
ときどきお伝えしているように、弊社は受験校や進学校の選択には基本的に関与しないことにしています。特定の中学校の合格率を上げたり、合格者を増やしたりするようなことは意図せず、「ご家庭と受験生の希望が叶うような指導」の実践を心がけています。
また、進学のターゲットとしては広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院といった、歴史や伝統のある私立一貫校を主体として指導しています。ただし、国立や公立の一貫校に進学を希望されるご家庭も相当数あります。こうしたニーズにもしっかり応え、受験生の夢が叶うよう指導してまいりたいと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。