進学校を最終的に決めるのは誰?
2月 25th, 2013
先週のブログ記事で、今年の卒業生の進路選択の様子をご紹介しました。その際、「進学校の決定は、一体誰がしているのか?」という疑問をもたれたかたはなかったでしょうか。
これについて正式な調査をしたことはありません。おそらく、多くの家庭は「親子で話し合って」決めておられるのではないかと思います。まずは親の意向があり、お子さんの希望にも耳を傾けるというのが基本であろうと思います。
ただし、最近は「親は○○中がよいと思ったのですが、子どもがどうしても△△中に行きたい」というので、そちらにしました」という話もかなり耳にするようになりました。最近の保護者には、お子さんの意向にも耳を傾けるかたが多いのでしょう。
そうやって親子で話し合い、お子さんに合った学校選択をするのは大変よいことだと思います。お子さんが、中学・高校生活を有意義に過ごせるかどうかは、学校との相性も少なからず影響すると思うからです。
男子の場合、学校選択の代表的なものが「修道か、学院か」であろうと思います。この場合、8割以上が学院を選択しておられます。やはり、あれだけの大学進学実績をあげる学校ですから、当然といえば当然かもしれません。しかしながら、修道を選んでおられる家庭も毎年一定数あります。
修道選択の理由としてよく聞くのは、「サッカーを継続してがんばりたいから」「野球もやりたいから」といったようなスポーツがらみの理由です。無論、広島学院にもクラブがあるのですが、修道のほうが「打ち込めそうだ」という印象があるのでしょう。
その他、「伸び伸び自由」という修道の学校のカラーに惹かれるケース、「親の出身校だから」というケース、「お兄さんが行っていて楽しそう」などと、きょうだいに影響されるケースも少なくないようです。これらは、受験生本人の意向がかなり強く反映される理由となるでしょう。
また、親子共々「まさか受かると思っていなかった」という入試結果が得られたときは、これはこれで悩ましい選択を強いられることになります。大概、保護者は「ついていけるだろうか」という心配と、「せっかく受かったのだから」という思いが交錯し、すぐには決心がつかない事態になります。毎年、毎年、同じようなことを多くのご家庭が経験されているわけですが、そのお子さんにとっては大変重要なことです。よく話し合って、後悔のない選択をしていただきたいものです。
なお、「ついていけないのではないか」という心配についてですが、それについては無用の心配です。中学校入学後、毎日の学習を丁寧にやっていけば大丈夫です。中学校で学ぶ内容は、言わば高校で学ぶ内容の基礎・土台であり、トップレベルの進学校でも特別難しい内容を扱う学校はありません。要は、日々の予習や復習を当たり前のようにやっていけるかどうかであり、その学校に入学を許可されたお子さんがついていけないはずはありません。
むしろ、受験が終わったということで気持ちがはじけてしまい、勉強をしなくなってしまうお子さんのほうが遙かに危ういと言えるでしょう。多くの私学では、数学や英語などの主要教科は中学校のカリキュラムを早めに消化し、中3には高校の範囲に移行します。中学の1~2年間を遊んでしまうと、我に返ったときは難しい高校の内容に進んでおり、挽回が利かなくなりがちです。こうなるほうがよほど心配です。
ところで、先日「女子受験生は共学志向が強い」ということを書きました。しかし、皆が皆そうだということではありません。女子校に憧れるお子さんも多数いますし、私学の女子教育のほうを採る保護者も多数おられます。
共学と、男子校や女子校とでは、異性がいるかどうかという絶対的な違いが生じます。そのどちらにもよさがあり、学校説明会などではそこのところが聞くべきポイントの一つになります。
保護者は、「どちらがわが子にあっているか」という視点でお考えになるとよいでしょうし、結果としてどちらかに決まってしまった場合も、それを受け入れてお子さんを行かせてやれば、その学校のよさもおわかりになるでしょう。