中学受験は成長のきっかけ
10月 3rd, 2013
みなさんは、中学受験体験記“GET”という冊子をご存知でしょうか。毎年度、受験を終えた会員児童とそのご家族から寄せられた体験記を、弊社が編集・作成したものです。弊社HPに一部作品を掲載しておりますが、入会ガイダンス等で外部の方へ配布しています。
先日、遅くなったのですが、2013年度の作品の一部をHPに掲載しました(2013年度作品はこちら)。作品を掲載するために、GETを読み返してみました。GETを読むと毎回のことですが、涙が溢れてきそうになります。うれしいとか悲しいとか、そういった単純な気持ちからではなく、「がんばったね!」「壁を乗り越えたね!」「耐えたね!」「すごい!」などいろんな気持ちが交じり合った感情が、込みあがってくるからでしょう。そして、読み終わると「自分も自分のやるべきことを頑張らなくては」という思いに駆られます。GETでは、会員児童の嬉しかったことやつらかったことが、率直でストレートな言葉で表現され、心の奥底にグッと響いてきます。この体験記が長い間読み継がれている理由は、おそらくそこにあるのだと思います。
中学受験は、子どもたちにとって負担なことです。けれど、その負担に耐え、跳ね返す又は吸収するといった、自分なりの試みで攻略していくその姿は、成長していく姿そのものです。中学受験は、成長のきっかけなのです。
誰しも思い悩むとき、自分を見つめ返し、行動を振り返り、現状の把握に努めようとします。自分を振り返ることからスタートして、今までとは違った取り組みに挑戦し、変わっていくのだと思います。
GETには、子どもたちのその“変化”が描かれています。自分のダメなところを認識し、今までと違う取り組みをしていこうと努力し、その成果から喜び得る。この一連の流れと心の葛藤を、読み取ることができます。
また、保護者の部の作品には、保護者の方々の心の葛藤が記されています。自分自身の受験ではなく、見守らなければならない受験は、計り知れないほどの負担なのだとひしひしと感じました。
ここで、HPに掲載している作品から、心に残った箇所を抜粋してご紹介したいと思います。HPの「デジタルGET~中学受験体験記~」に掲載しております。よろしければ、ご覧ください。
<受験生の部より>
- 勉強に終わりなんてありません。いつまででも続けられます。やろうと思えばできるし、やらずにおこうと思えばできません。ここで差がつきます。
- 超天才でない限り、こつこつやらないと絶対に成績は上がらない
- お父さん、お母さん、そしていっしょに受験勉強をした友達などの今まで受験生活を支えてくれたすべての人に感謝します。
- 自分が努力をしたという事実は、これからもずっと私の「大切な宝物」になってくれると思います。
- 今のままじゃいけないんだと心から思った。
- 「いっしょに女学院へ行くのが夢じゃないん?」私を立ち直らせてくれたこの言葉は、入試が終わった今でもはっきりと覚えています。
<保護者の部より>
- 成績に関して小言を言わない良いパパを演出していた。自分が娘に真剣に寄り添っていない事実を自分でごまかしていたのだと思う。
- ここまで黙々と勉強を頑張ってきて、弱音など一度もはいたことがない息子が、初めて見せた本音でした。
- 息子の強いまなざしを見た時に、息子の成長を感じ嬉しくなりました。
- すぐに結果を求めるのではなく、結果に結びつくまでの辛抱強さが必要なのだと知りました。
- 「大丈夫だよ。やる事はやったし、悔いはないから。」息子の方が、ずっと大人でした。
みなさんは、人生において、大きな経験・自分が成長したと思う経験はどれほどあるでしょうか。中学受験、高校受験、大学受験、国家試験といった試験と名がつくものでしょうか。また、文化系体育会系に関わらず、クラブ活動や大会でしょうか。成長したと感じるその“経験”は、試験を受験したからまたは大会に出たからではありません。試験・大会を乗り越えるために、自分と向き合い、努力したからでしょう。何かをきっかけにして、努力をすることが成長することなのです。ぜひ、中学受験が成長へのきっかけとなりますよう心から願っています。
(yasumoto)