あなたの“しつけ”はどんなタイプですか? ~その2~

10月 17th, 2013

 先日チェックしていただいた項目で、A・B・C・Dのうち、5回以上選んだものがあなたのしつけタイプです。では、それぞれのタイプの子育ての特徴をみてみましょう。

★4つの“しつけ”タイプの特徴

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★それぞれの“しつけ”タイプと子どもの成長

 A 放 任 型 

 20131017_bこのタイプの子育ての最大の特徴は、「何事も子ども任せ」であり、子どもに指示したり、命令したり、手伝ったり、誉めたり、叱ったり、といった親からの積極的働きかけが少ないことです。

 このタイプで問題になるのは、親の期待や愛情が子どもに伝わっているかどうか。子どもとの信頼関係が前提にあれば、子どもは愛情欠乏症に陥ることはありません。むしろ独立心に満ち、何事も自分で判断し立派にやっていこうとする人間になることでしょう。

 しかし、もしも「親は、自分に関心がない」「ボクのことなどどうでもいいんだ」などのように、親の愛情がうまく子どもに伝わっていなかったなら、子どもの心は荒れ、精神的に不安定で、愛情に飢えた状態に陥る危険性があるのも事実です。この状態が改善されないと、他人に対して思いやりがなく、反抗的で非友情的な態度をとりがちな人間になるおそれもあります。また、愛情の欲求願望は、他人の前で目立とうとするなど、“人の注意を引こう”とする態度となって現れがちです。放任型の親は、日頃の家庭生活で愛情表現を心がけることで、このタイプのマイナス要素を打ち消すようにしたいものです。

 B 過保護型 

 20131017_c何事も親が手を貸したり、あれこれ世話をしたりするタイプの子育てです。その結果、子どもが自力でやり遂げる体験が不足すると、自立心は育たないものです。また、駄々をこねる癖が染みつくと、家では威勢がよいのに外では自分を通用させられない、“未熟な人間“になるおそれがあります。

 ただし、過保護や甘やかしの程度がほどほどであり、親からの世話が自分への愛情からくることだということを子どもがよく理解していれば、過保護型の欠点はさほど問題にはならない場合もあるでしょう。実際、弊社の会員家庭にも息子さんにベタ甘なおかあさんがおられましたが、息子さんはしっかりとしており、学業も優秀で中学受験では第一志望校に合格しました。

 問題は過剰な世話や干渉です。わが子を放っておけない親は、それをよく認識し、無用の手出しをしないよう心がけることが大切でしょう。また、親が人間として尊敬できる生きかたを見せていれば、子どもはそのほうに着目することでしょう。子どもは親の様子をよく見ています。筋の通った生きかたを親から学び取り、「甘えん坊」に陥ることはなく立派に成長していくことでしょう。

 C 専 制 型 

 20131017_d子どもの考えはさておき、何事も親が取り仕切るタイプの子育てです。こういう子育てのもとでは自主性や主体性は育たず、自己表現の苦手な子どもに育つ可能性が高いでしょう。いわゆる“覇気のないタイプ”の子どもは、性格的なものよりもこうした子育てを受けた影響によるものと言えます。

 また、何をしても親の意に添わなければ評価されず、場合によっては厳しく叱責されるとなれば、親の前では見せかけの従順さを演じることを子どもが覚えるでしょう。こういう子どもは、感情のはけ口を親のいないところに向けやすくなります。親の目の届かないところでは、望ましくない行為に及ぶなど、表裏のある人間に育つおそれが多分にあります。

 ただし、厳しさが子どもだけでなく、親自身にも向けられているなら事情は変わってきます。なぜ厳しいのかを、親の背中を見て子どもが理解しているなら、親の叱責や叱咤激励に耐え、歯を食いしばってがんばろうとするでしょう。専制型で育った子どものなかには、性格的バランスを欠くものの、とても学力優秀なケースがあります。それは、子どもが親の厳しさを受け入れているからでしょう。

 D 民 主 型 

 20131017_e何事も子どもに判断させ、自ら進んでやるよう導いていく子育てのタイプです。表を見てもわかるとおり、民主型の子育てをされた子どもは、それこそ社会で理想とされる人間になれる可能性があるといってよいでしょう。人格円満であるだけでなく、創造性や計画性に富み、人を束ねたり引っ張っていったりするリーダーシップも兼ね備えていますから、言うことはありません。

 ただし、このような子育てを完璧にできる親は、極めて稀ではないでしょうか。子育ては、感情抜きにはできないものであり、感情の高度なコントロールを要求する「民主型」の子育てをやりとおすのは至難の業です。それは、子育てを経験されたかたには言わずもがなのことでしょう。実際、ほとんどの親は民主型を志向していたとしても、必ずほかのタイプの子育てに見られる特徴を併せもっているものです。つまり「民主型」は、子育てをする親にとっての指標となるモデルであり、これにどう近づけるかが、親にとっての永遠の課題なのだと言ってもよいでしょう。

 いかがでしょう。理想はDの民主型ということになりますが、現実にはD一色の親などいないと思います。そこで、次回はAやB、Cのタイプになった保護者のかたは、子育て場面でどのようなことに配慮すべきかについてお伝えしてみようと思います。

※4つの子育てタイプについての説明は、心理学者の著書を参考にしましたが、筆者の学習指導での経験で培った見解もかなり付加しています。ご了承ください。

Posted in 子どもの自立, 子育てについて, 家庭での教育

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