あなたの“しつけ”はどんなタイプですか? ~その3~
10月 20th, 2013
前回みてきたように、「しつけのタイプ」と「子どもの性格的特徴」を見比べてみると、圧倒的に民主型の子育てがよいという結論に達するでしょう。民主型の子育てこそが、わが子自立した人間に育て、さらには知的に有能な人間にするための最高の方法だと言っても過言ではありません。もし、自分の子育てが診断の結果、この方法であったなら、わが子の将来はまさに前途洋洋たるものであるということになります。
しかし、ことはそう簡単ではありません。親なら誰しも思い知らされた経験がありますが、完璧な「民主型」の子育てをすることは何と難しいことか! 感情を抑え、子どもの自立を最優先させて振舞う「民主型」の子育てを、高いレベルで実行できる親などほとんどいないのではないでしょうか。
つまり、「民主型」の子育てをしようとするものの、それに徹することができず、実際にはAやBやCの要素を色濃くもった子育てをしているかたが多いのです。無論、AやBやCの型の特徴がはっきりと出た子育てをしているかたもいらっしゃるとは思います。しかし、そのようなかたも、はじめから意図してそうしているわけではないと思います。「子どもを自立させる方向へ」と心のなかでは思っていても、わが子かわいさから、あるいは自分の性格的特徴から、はからずも民主型とは違った選択をしてしまうケースは少なくないことでしょう。
「民主型」の子育ては、親にとって一つの理想として掲げる子育てのありかたです。自分の子育ての現実を振り返り、いかにして理想に少しでも近づけるか。そのための指標となるのが、「民主型」の子育てではないでしょうか。そして、現実に「民主型」ではない子育てであっても、たくさんの方々が、わが子を立派な人間に育てておられるのを、私たちは目の当たりにしてきました。
なぜ民主型以外でもうまく行くのか。それは、子育てで欠くことのできない重要なファクターを押さえているからではないでしょうか。そこで、最後に「子育てではずしてならない原則」についてともに考えてみたいと思います。
これまで、子育てにはおおまかに4つのタイプがあることをお伝えし、あなたがどのタイプに近いかを自己診断していただきました。また、それぞれの子育ての特徴と子どもの育ちかたの傾向についてみてきました。
そして、4つのタイプのなかでは、「民主型」の子育てがわが子を自立させ、有能な人間に育てる最も望ましい方法であることを確かめました。さらにはその一方で、「民主型」の子育てを完璧に実行することはきわめて困難なことを踏まえ、ちょっとした点に留意すれば、「民主型」でなくともわが子を立派で優秀な人間に育てることは可能であるということをお伝えしました。
なぜ民主型でなくても子どもは自立し立派に育つのか。その理由は、先ほどご紹介した親子の実例のなかに見出すことができます。
お子さんに対して、私たちから見れば厳しすぎるように見えるおとうさんやおかあさんがいらっしゃいます。また、わが子に対していささか甘いのではないかと思わせるおとうさんおかあさんもいらっしゃいます。さらには、お子さんについていささか無関心すぎるのではないかと心配してしまうようなおとうさんおかあさんもおられます。ところが、お子さんのほうはきちんと自立していて、実によく学び、優秀であるということがしばしばあるのです。
なぜなのでしょう。親が厳しくとも、甘くとも、何も言わなくても、子どもの側が親を尊敬し、「親のような人間になりたい」「おとうさんおかあさんの言うことは正しい」と思っていれば、「自分はどうすべきか」を子どもはある程度自分で判断できるのではないでしょうか。
小学生までの子どもは、親を見て学びながら育っています。親が日頃手本を見せていれば、また親のすることや言うことに信頼を寄せていれば、親のようになりたいと思うし、親の期待する通りの行動をとろうとするものです。ですから、親の子育てに少々欠点があったとしても、それは問題ではないのかもしれませんね。
お子さんは、まだ子育ての途中にある小学生です。親次第でどのような方向にも変わっていく段階にあります。今回の自己チェックの結果を参考にし、お子さんのより望ましい成長に向けたサポートのありかたを考えていただければ幸いです。