2014春期「おかあさんの勉強会」のご案内
5月 12th, 2014
「おかあさんの勉強会」は、弊社の4・5年部会員家庭(「週3日コース」)のおかあさんを対象とする催しです。始めてまだ数年経ったに過ぎませんが、春と秋の恒例の行事として徐々に定着しつつあります。
この催しのそもそものきっかけは、広報業務を担当し行事の企画にも関わっている筆者が、「おかあさん同士気楽に話ができて、指導担当者ともやりとりの機会のある、双方向性のある催しを実施できないものか」と思ったことでした。
弊社の会員保護者対象の催しとしては、「保護者説明会」(校舎の学年単位、クラス単位で実施。学習全般に関わる重要事項の説明をします)や「保護者面談」などがすでに行われています。ただし、前者は担当者からの一方向的な語りかけというスタイルであり、後者は1対1での悩み相談というスタイルです。受験生の親という同じ立場にあるおかあさんが、互いに気楽に本音を語り合える場があってもいいのではないかと考えました。
また、保護者に一堂に集まっていただいて実施する形式の催しや、マンツーマン形式の催しはどの学習塾にもあります(この二つは、どうしても必要なものだからでしょう)。もう少し、学習塾としてのオリジナリティのある催しがあってもいいのではないかとも思いました。
しかしながら、そこまでは考えたものの、具体化となると簡単ではありませんでした。そんなあるとき、「ワークショップ」について書かれた本を読む機会があり、いろいろ調べてみました。ほどなくして、教育の範疇におもしろそうな活動をしている団体があることを知り、その団体が主催するワークショップに試しに参加してみました。「これなら、活かせる方法が見出せるかもしれない」--そう思った筆者は、その団体のファシリテーター(ワークショップの講師、推進者)の資格を取得しました。ただし、学習塾の催しとしての体裁は一から考えなければなりませんでした。そこで1年あまり難渋したあげく、ようやく弊社の新たな内部行事として実施に至った次第です。
この催しは、毎回1つのテーマ(受験生家庭が抱えがちな問題、おかあさんが悩みがちな問題を扱ったもの)を掲げ、予め設定したグループに分かれ、小テーマごとに進行手順に沿って話し合っていただきます。どなたにも、ある程度問題解決に向けた方策が見つかるよう、弊社からの提案もしていきます。
これまで掲げたテーマは、次の通りです。
「受験生家庭の学習環境づくり」「9歳、10歳の壁を乗り越える」「復習を科学する」「おかあさんのリーダーシップ」「子どもの学習意欲大研究」「コミュニケーション力は会話から」「ほめかた次第で子どもは変わる!」「子どものやる気を引きだす叱りかた」「家庭勉強の自立を応援しよう!」など
ただし、本格的なワークショップは時間を要しますし、内心を吐露し合って問題解決をはかるべきものです。また、自分の考えを参加者全員の前で発表する機会があります。それではおかあさんがたに敬遠されてしまうことが予想されましたので、形式こそワークショップ風ですが、ずっと気楽で雑談もできる雰囲気になるよう配慮しました。前例やモデルのない催しでもあり、いまだに失敗と反省を繰り返していますが、催しの進行にあたった校舎のスタッフからフィードバックをもらいながら、少しずつ改良を重ねています。「今まで、ありそうでなかった催し」として、保護者に認めていただけるようになればうれしい限りです。
さて、今年の春も通年と同じく2回予定していますが、テーマとおおよその内容は以下の通りです。
第1回 「やった“つもり”から、本当の勉強へ!」 ~教えずに効果をあげる親のサポート~
小学校の4・5年生の受験勉強(家庭勉強)は、子ども任せにできないものです。なぜなら、勉強法を指導してもその通りにできる子どもはそう多くありませんし、勉強の妥当性を自己評価したり、自分で勉強法を改善したりする能力(メタ認知的思考と行動)もまだ十分育っていないからです。
それどころか、いい加減な勉強や空回りの勉強でやったつもりになったり、そもそも勉強らしいことをほとんどしていなかったりします。それがよくないことだとは思っても、先々どういう事態に至るかはあまり考えず、問題点を残しても楽天的に構えてしまいがちです。自己中心性がまだ色濃く残っており、内省心もまだ発達途上。それが4・5年生の子どもの現実なのです。
そこで重要になってくるのが、親のチェックとアドバイス。ただし、親が勉強の内容に立ち入り、教えてしまうと、いつまでも親を頼るようになりますし、親の負担は止めどなく大きなものになってしまいます。
この勉強会では、親は子どもの勉強のどこを見て、どうアドバイスしたらよいかについて、みなさんで話し合ってもらいます。勿論、「自学自習のできる子どもの育成」を指導目標の一つに掲げる弊社ですから、そうした流れを築くためのアドバイスも用意しています。
第1回目は、「子どもの自立勉強を支援するための関わり」をテーマに考えていただいたところで、第2回の勉強会では、「子どものやる気増進に向けた上手な関わりかた」について考えてみようと、“声かけ”に注目してみました。
第2回 「愛ある“声かけ”が子どもを動かす!」 ~子どもの奮起を促す言葉を研究しよう~
小学生までの子どもに一番影響力のある人物は誰でしょう。もちろん、それはおかあさんです。子どもは、おかあさんなしには一日も生きられないことを自分でよく知っています。だから、おかあさんの一挙手一投足を子どもは実によく見ています。
それなのに、おかあさんの言うことを今ひとつ聞いてくれないのはなぜでしょう。それは、おかあさんの発する言葉が常に注意の言葉であり、叱責の言葉であり、命令の言葉だから、慣れっこになってしまっているからではないでしょうか。しかも、結局どんな状態でもおかあさんは許してくれます。
こうした現実をリセットし、親の期待通りにがんばる子どもにするにはどうしたらよいでしょうか。その方法は、いろいろあるでしょうが、今回は“声かけ”のしかたに着目してみました。
そもそも、小学校の4・5年生の子どもにとって、“やる気”の源はおかあさんから発せられる期待です。その期待をどう言葉にするか。どんなタイミングで声をかけるか。それによって、子どもの受け止めかたも変わるし、親の期待に沿ってがんばろうという気持ちの度合いも変わるものです。
この催しへの参加をきっかけに、声かけのしかたを変えてみましょう。「早く勉強しなさい!」「いつまでテレビを見ているの!」「あなたが熱心なのは、ゲームやマンガばかりね」――こういった、後味の悪いマイナス効果の言葉とサヨナラできる日が早くやってくるといいですね。
いずれの校舎でも、まだ受け付けています。興味をもたれたら、今から申し込まれてもだいじょうぶです。あなたも参加してみませんか?