やった“つもり”から、本当の勉強へ! その1
6月 9th, 2014
今回は、弊社の4・5年部会員家庭(週3日コース)のおかあさんを対象とした行事、「おかあさんの勉強会」(2014年度前期第1回)の様子をご紹介しようと思います。
おかあさんの勉強会については、ここ2~3年は終了後に会の内容をこのブログでご報告しています。その記事を、過去の記事リストから見つけて読んでくださるかたがいらっしゃいます。子育てや、受験生活のプロセスで、多くのおかあさんが突き当たりがちな問題、また、おかあさんがたが大切にクリアすべき問題を取り上げているからでしょうか。
今春の第1回目の勉強会は、「やった“つもり”から、本当の勉強へ!」というタイトルで実施しました。4・5年生の段階では、まだ自分の勉強の良し悪しが客観的に掌握できず、惰性で勉強しているだけの子どもも相当数いることが考えられます。そこで、子どもたちがちゃんと成果をあげられるようになるまでの、親のサポートについて一緒に考えてみることにしました。筆者は、1校舎のみですが手伝いがてら参加してみましたので、その様子をご報告してみようと思います。
当日は、「わが子は、成果のあがる“勉強法”を身につけているだろうか」という話題からスタートしました。弊社の教室に通っているお子さんが、みんなしっかりと勉強に取り組んで成果をあげていれば、おかあさんがたの心配や苦労は無用のものになるでしょう。
しかし、現実はだいぶ違うようです。特に成績の低迷が続いたり、チャランポランな勉強を改める気配がなかったりすると、おかあさんのストレスは確実に溜まっていきます。そうして、何かのきっかけによって一気に飽和状態に達し、親子の衝突に至ることも珍しくありません。「もう塾なんてやめたら!?」「今まで払ったお金を返せ!!」などと、お子さんに思わぬ暴言を吐いてしまうおかあさんもおられるようです(今の2例は、お子さんのアンケートにあったものです)。
こういう事態に至らないようにするためにも、勉強が軌道に乗るまでは親がある程度勉強の実態を掌握し、問題の解消に努めることも必要です。そこで、まず「勉強しているわりに成果につながっていない子どもの例をいくつかあげてご説明しました。
たとえば、テスト前のまとめをきちんとやっていない、学習計画の実行がままならない(これには様々な理由があるでしょう)、好きな教科に勉強が偏っている、苦手単元への取り組みに消極的である、テキスト学習で間違えた問題をほったらかしにしているなど、いろいろ考えられます。
これらを参考にしていただいたところで、最初のワークに入りました。話し合いのテーマは、「わが子の学習の現状を振り返る」です。無論、お子さんが努力していることも多々あるでしょうから、よいところと気になるところの両方を具体的に取り上げて話し合っていただきました。
ワークが始まると、たちまちおかあさんがたの声が教室中に響き渡り始めました。30名以上のおかあさんですので、その音量は相当なものです。静かな雰囲気ですと、周りに自分の声が聞こえてしまうのがはばかられます。その心配がないせいか、率直な気持ちをみなさん話しておられるようでした。
互いにわが子の現状を振り返っていただいたところで、次は今の勉強の状態とマナビーテスト(2週間に一度実施される全員参加の単元テスト)の成績に何か関連性はないかをグループ単位で話し合っていただきました。
ところで、親がわが子の勉強の問題点をしっかり見抜くには、取り組みの様子を見守るだけでなく、勉強の中身の良し悪しについてもある程度掌握する必要があります。この点において、最もおかあさんがたに注目していただきたいのがお子さんのノートです。ノートを見れば、わが子がちゃんとした勉強をしているかどうかがよくわかるのです。
そこで、次は「よい勉強をしているかどうかはノートでわかる」というテーマを掲げ、ノートを親が見ることの重要性と、その理由を掘り下げて考えていくことにしました。
まず、校舎の責任者が子どものノートからどんなことが見てとれるかを説明しました。
1. 予習の段階のノート(5年) →予習してから授業を受けているか
2. 授業で書き込んだノート(板書など) →ちゃんと授業を受けているか
3. テキストの練習問題への取り組みのノート →テキストの問題に丁寧に取り組んでいるか
4. やった問題の○×チェック →どのくらいわかっているか
5. 間違えた部分のやり直しノート →理解定着に向けた努力をしているか
6. マナビーテスト前のまとめ学習のノート →テストへの備えをしているか
上記の1~6について、しっかりした取り組みの跡が感じられるようなら問題ありません。しかし、ノートにこれらの学習の痕跡が見られないようなら、お子さんはやるべき勉強をしていないことがわかります。親にとって必要なのは、ノートを通して子どもの学習状況を掌握し、学習が軌道に乗るまでは必要に応じてアドバイスをしていくことです(勉強の内容に立ち入って教える必要はありません)。無論、がんばりの跡が感じられるときには大いにほめてあげて欲しいものです。
なお、こうした親の関わりの必要性については「保護者説明会」などですでにお伝えしています。問題は、親のノート点検を子どもが素直に受け入れてくれているかどうかです。特に、4年部の保護者にはテキストの問題の○つけを必ずしていただくようお願いしています。テキストの課題の答えの妥当性を自分で判断するのは難しい年齢だからです。
そこで、親のノートチェックを子どもたちがどう受け止めているかを、事前のアンケートで調べてみました。このアンケートは、各校舎の任意に選んだ4・5年生の1クラスに実施したものです。以下は、アンケートの結果を簡単にまとめたものです。
4年部の子どもたちに、「○つけをしてくれるおかあさんに、何か言いたいことは?」という質問に対しては、次のような回答がありました(一部抜粋)。
・いつも○つけをしてくれてありがとう!
・ていねいに教えてくれてありがとう。
・間違いがあっても、やさしく教えて!
・×を書かないで
・すぐイライラしたり、おこったりしないでほしい
・「ミスが多い!」と言わないで
・「こんな簡単な問題、間違える方が難しいよ」と言わないで
・集中しているときにノートを見に来ないで
・「習字を習っているのに、どうしてこんなに字が汚いの?」と言わないで
どうやら、感謝するだけでなく、おかあさんに不満の声もあがっているようです。続いて5年生ですが、「ノートを見るときのおかあさんに何か言いたいことは?」という質問をした結果です。
・ありがとう!!
・「よくやってるね」「きれいに書けているね」と言ってくれて、うれしい!
・(やる気がなくなるので)マイナスな言葉を言わないで!
・あれこれと口うるさい!(ガチャガチャうるさい!)
・おかあさん、怒らないでね!
・いちいち文句を言ったり、イライラしないで!
・見なくていいよ
・間違いがあるかどうか見てほしい
・がんばったのだからほめてほしい
・花マルをしたりシールをはったりしてほしい
・ノートのとりかたなどのアドバイスがほしい
・自分でやってみなよ、けっこう大変だぜ
4・5年生ともなると、ノートを見るにも配慮が必要で、親は一生懸命に見てアドバイスをしているつもりが、子どもの反発を買っているケースもだいぶありそうですね。
続きは次回紹介します。