中学受験、どうしようかな?

6月 30th, 2014

 現在、夏休みの講座の会員募集を行っています。受験についてお迷いのかたは、とりあえず「夏期講座」にお子さんを参加させてみませんか?

 夏休みは、学校との折り合いをひとまず考える必要がなく、受験勉強に気持ちを集中させることができます。小学生の場合、あれもこれも同時並行でやらせるとうまくいきません。慣れないことをやり始めるのですから、子どもが受験勉強を受け入れやすい状況でのスタートが望ましいでしょう。

 そのことに目を向けていただくと、夏休みが受験勉強開始にふさわしい時期だということがおわかりいただけるでしょう。長い休暇を上手に生かせば、受験勉強の要領を身につけ、手応えを得るところまで漕ぎつけることは十分に可能です。

 ただし、親に中・高一貫校についての知識がない場合、「公立へ進学するのとどう違うのか」という疑問が湧いてくるかもしれません。また、受験に興味はあっても、実際にわが子を塾に通わせるとなると踏ん切りがつかないかたも少なくないと思います。そういうご家庭には、何らかの"きっかけ"が必要なのかもしれませんね。

 わが子に中学受験をさせる。それは、現実にはかなり特殊なことです。私立・国立・公立の中・高一貫校がたくさんある広島ですが、それでも受験する家庭は決して多くありません。正式な割合は調べていませんが、全体の15%ぐらいだという話を聞いたことがあります。

 つまり、大概の子どもは公立中学校に進学しているのですから、「無理に受験してまで」と保護者がお考えになるのは当然です。おまけに、受験準備にかかる費用もバカになりません。さらに、私学に進学したら6年間で相当な学費の負担が待っています。

20140630a しかし、それでも筆者は中学受験をすることは、子どもの将来にとって大変なメリットがあると思っています。それが何かというと、「子どもが、学問に向いた頭の働きをもった人間になる」「知的な仕事をやりこなせる能力の下地ができる」ということです。

 たとえば、算数では受験準備のために教科書よりも遥かに難しい課題に数多く取り組みます。それが子どもの脳を著しく成長させるのです。

 なにしろ、中学入試対策の算数学習においては、筋道立てて考え、解決に向けた突破口を自分で見出し、理屈にかなった適切な計算式を自分で考え出すプロセスが必須となります。そこで求められる知的活動とは、自分で公式を編み出すことにほかなりません。公式、方程式に数をのっけて、自動的に答えを引き出すような勉強ではありません。それが、「知的能力の下地づくり」として非常に有効な役割を果たすのです。

 いっぽう、同じ子どもがそういう体験をすることなく中学校へ進学したならどうでしょう。「中学校で頑張れば同じことじゃないか」と思われるでしょうか。残念ながらそうではありません。頭の柔らかい年齢のうちに算数の楽しさに触れ、自らの素養を磨いている子どもは、頭の働きが違うのです。

 中学校に入ると算数は数学に変わり、公式を適用して問題を解く学習が中心になります。その前段階において、頭を駆使して考え、自分で解決方法を見出すような算数学習を体験していることは、圧倒的なアドバンテージになるのです。

 国語に関しても、受験の助走で様々な文章を読み味わい、文章に描かれている世界を想像したり、人物の気持ちを推し量ったりする経験をするか否かで、子どもの中に宿る能力に相当な開きが生じます。また、語彙が増えるということだけでも大きな収穫です。

 たくさんの文章に触れる経験は、読みの態勢を築くための修練の場になります。読みの態勢とは、言い換えれば「文章を速く、滑らかに、正確に読めるようになっておく」ということです。読みの態勢が整った子どもは、自ずと活字に触れる時間が長くなり、それが子どものもつ内的な世界を広げたり深めたりすることを促します。ですから、小学校時代にそれができているかどうかは、以後の学習で知的人間に成長できるかどうかのカギを握る重要なポイントです。

 また、理科や社会は受験勉強で習得する知識レベルと、学校の勉強だけで終わるレベルでは、勉強の質に相当な開きがあります。受験対策の理科・社会というと、最終的には暗記勝負になりがちですが、たとえそういう勉強であっても、より多くの知識を、深いレベルで吸収するのですからやるとやらないとでは全然違ってきます。まして、受験勉強を通して理科や社会の面白さに引き込まれた子どもは、こうした方面に学問的な方向性を見出すよいきっかけを得ることが少なくありません。

 以上のように、成長途上の子どもが、1年、2年以上の期間、心を集中させて学習に励むことによって脳は大いに鍛えられ、考えること、知識を理解して蓄えることに向いた頭脳の持ち主になれるのです。そのことによる恩恵は計り知れないほどです。中学受験をするメリットは、実はどの学校に受かるかよりもこのことにあると言っても過言ではありません。

 話はちょっと変わります。「友達に誘われて弊社の教室に通い始めた」というお子さんがかなりいます。そういうきっかけで入会したお子さんの入試結果が意外なほどよいのです。5年の夏休みから通い始めて、最高峰の私学に合格するほど伸びることも稀ではありません。

 先日お会いしたおかあさんのご家庭も、その典型的な例に当てはまるでしょう。10数年前、友達に誘われて塾通いを始めました。楽しく勉強しているうちに力がつき、修道→トップランクの国立大学→有力企業という人生の流れができたとか。そのお子さんにとって、中学受験は辛いものでは全くなかったそうです。

 筆者が担当したお子さんの事例も多数あります。たとえば、弊社の教室に通っている友達に声をかけられ、5年生から通い始めた男の子がいました。全く中学受験を考えておられなかったご家庭ですが、水を得た魚のように受験勉強になじみ、素晴らしい学力の持ち主になって広島学院に進学しました。もしも彼が中学受験と縁がないまま小学校を卒業していたら、全く違った人生を歩んだことでしょう。

 このことは何を意味するでしょうか。あまりプレッシャーのない状況の下で、自然体で塾通いを始めると、子どもも伸び伸びと学べるので勉強になじむのがはやく、学んだことが身につきやすいのではないでしょうか。反対に、親が一生懸命過ぎると、ともすれば子どもに頑張りを強要することになりがちです。その結果、子どもは出発点からプレッシャーを受け、子ども自身の知的欲求に基づく勉強が成立しなくなってしまいます。

20140630b 塾通いの開始にあたっては、「塾の授業って、面白いらしいよ」「勉強が楽しくできるようになるそうだよ」といったように、自然とお子さんが通ってみようと思うような水の向けかたをするのもよい方法だと思います(実際、そういう事例を何度も聞いたことがあります)。

 これはあくまで、弊社への入会、中学受験を検討しておられるご家庭に向けた話ですが、迷っておられるなら、まずはお子さんに「夏期講座」に通う体験をさせてみてください。そこでの印象や手応えで「夏休み後」をお考えになればよいのではないでしょうか。

 なお、受験を迷っておられるご家庭のために、弊社では「入会ガイダンス」という催しを各校舎で実施しています。今夏実施分はあらかた終了していますが、三篠校と五日市校実施分はまだ参加可能です。いずれも7月5日(土)に実施予定ですが、五日市校が14:00~15:10、三篠校が15:00~16:10となっております。よろしければ、ぜひ参加してみてください。

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