子育て中のおかあさんに必要なものは?

8月 18th, 2014

 何年か前から、弊社ではおかあさんを対象としたワークショップ形式の行事(おかあさんの勉強会)を度々行っています。毎回テーマを掲げ、子どもの学びを支援していくための親の働きかけや留意事項について話し合っていただいています。子どもたちが活気ある学びの生活を実現するには、おかあさんのサポートが欠かせないからです。

 この催しを続けているうちに、どのようなテーマにおいても、必ずおかあさんがたから口をついて出てくる言葉があることに気づきました。それは、「母親である自分自身に心の余裕がないと、子どもについて適切な対処をすることが難しい」という言葉です。

 そのことは、何を意味するでしょう。まず言えるのは、「日本の家庭においては、子どもの躾・教育に関わる事柄のほとんどをおかあさんが引き受けておられる」ということです。そのことがおかあさんがたの負担を大きなものにし、心の余裕を失わせているのではないでしょうか。

 では、おかあさんが心の余裕を取り戻すには何が必要なのでしょうか。たとえば、次のようなことは考えられませんか?

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 どうでしょう。これらのうちの一つか二つが実現すれば、ある程度おかあさんに心の余裕が生まれるかもしれません。

 最近は共働きの家庭の割合が高く、おかあさんも外で働いておられるケースが多いことでしょう。そうすると、1の「息抜きの時間」はいきおい減っていくものです。「少しでよいから、私にも息抜きの時間がほしい」「ああ、私にわずかな自由の時間を!」と、ため息をつくような思いをしておられるかたもおられることでしょう。

 2の「苦労に報いるもの」とは、具体的には何でしょうか。筆者が思いつくのは、夫もしくは他の家族、親友などからの「プラスの承認(感謝・慰労の言葉など)」でしょうか。

 これは以前書いたことがあるかもしれません。ある本に、「おかあさんがわが子を感情に任せて叱るのは、おかあさんの苦労を慮り、おかあさんを褒めてくれる人がいないからだ」とありました。実は、筆者の家内がまさにそれでしたので、これは自分にとっても耳の痛い話でした。

 そこで、「今日は、家内に感謝の言葉を伝え、ほめてやらねば」と家路を急いだのですが、いざ玄関の前に立った途端、その気持ちがスッと消えてしまいました。「何回言ったらわかるの!」という家内の金切り声がドアを突き抜けてきたのです。「この家内をほめるなどという芸当は、神様か仏様でないと無理だ」と、ため息をついたことを思い出します。ですが、こうした事態を招いた原因は、やはり子育てを家内ひとりに押しつけている自分にあるのです。無責任な自分を反省し、以後は家内に慰労の言葉をかけるよう努めました(劇的とは言えないまでも効果はありました)。

 おたくではどうでしょうか。おかあさんの苦労に報いる何らかのアプローチを、どなたかがされているでしょうか。

 3つめですが、誰にも趣味の一つや二つはあるものです。卓球やバレーボール、テニスなど、スポーツはストレス解消に特に効果的です。夫婦で楽しむのもよいですね。スポーツが嫌い、苦手なかたもおありでしょう。何であれ、気持ちの切り替えに有効なものをつくっておきたいですね。ご主人も、ときどき一緒に楽しむ何かを提案してあげてはいかがでしょうか。

 4つめですが、「おかあさんの勉強会」は、まさにそのために企画した催しです。小学生の子どもは、まだ自分を客観的に捉えて行動する姿勢が育っていません。ですから、放っておくと大人から見ると無自覚を絵にかいたような行動に至るものです。しかし、だからと言って何かあるたびに注意をしたり叱ったりしていると、何を言っても効果が薄れるばかり。おかあさんがゆとりの気持ちを失わないで、冷静に子どもと話し合うことが求められます。

 そんな状況をつくるには、受験生の親同士で苦労を分かち合い、励まし合ったりアドバイスをし合ったりする場が必要だと思います。受験についての話題は、受験をしない家庭の親には出しにくいもの。その点、同じ学習塾に通っている子どもの親同士なら遠慮がいりません。この催しでのおかあさんがたの活発なやり取りをみていると、「やはり、こういう場は必要だ」と強く思いました。

 さて、最後はおかあさん自身の心のもちようで、子育てと受験から来るストレスをうまくコントロールする方法についてお伝えしようと思います。以前、「あなたは子育てに『向いている』?」というタイトルの記事を3回連続で書いたことがありますが、読まれたかたはおありでしょうか。

 自分のことを「子育てに向いている」と考える人と、「子育てに向いていない」と考える人の違い。それが、たくさんのおかあさんがたへのアンケート結果か明らかになりました。

 自分が「心配性か」、「面倒なことは投げてしまうか」、「なかなか踏ん切りがつかないか」、「他人に対して批判的か」「言いたいことが言えないか」について、イエスと答えた人は、「子育てに向いていない」と考える傾向が強いことがわかりました。

 また、自分のことを「のんきか」「人の面倒を見るのが好きか」について、ノーと答えた人は、「子育てに向いていない」と考える傾向が強いことがわかりました。

 これらの質問項目と、子育てに向いている、向いていないの関連については、そのときの記事を読んで参考にしていただければ幸いです。

 ともあれ、子育て、わが子の受験生活のフォローがストレスにつながるかどうかは、親の性格や気持ちのもちようと深く関わっていることは間違いありません。子育てに向いている人は、あまり心配症にならず、面倒なことを受け入れ、いつまでもくよくよ考えず、何事ものんきに構え、世話好きで、言いたいことは率直に言えて、他者のたいして寛容な態度で接することのできる人です。

 そこで、子育てと受験生活のフォローの最中にあるおかあさんがたに、次のような自己コントロールをお勧めして今回の記事を終わろうと思います。急には自分を変えられないことは百も承知ですが、気持ちを方向づければ、きっと効果はあると思います。

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  子育てにおいては、予期せぬこと、ストレスを避けられないことが次々と起こります。ある本にありましたが、子育ては心に湧き上がってくる避けることのできない「怒り」との闘いでもあります。怒りとの戦いに勝ち、冷静に対処できる親であるための心のもちようが上記の7つなんですね。

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